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2006年12月04日

富岡教会とステンドグラス

 小樽名所の一つになっているこの教会は、シーズンオフでもそれなりに見学者が居るだろうと予想して十二月初めに出向いてみる。まず教会の正面で建物を写真に納める。確かに観光客が訪れてみたくなるような外観である。

 この建物は一九二九年(昭和四年)に造られた鉄筋コンクリート、一部木造のゴシック建築を模したものである。この教会はカソリックの教会で、教会の後ろにマリア院という修道女の住む住居があって、教会とつながっている。マリア院の方には現在四名の修道女が住んでいるとのことである。

 教会は十時に開かれるとあったので、十時に玄関の前に立って待っていると、ボランティアの当番の信者が少し坂になっている教会への道を登って来て、正面玄関の錠を開けて中に入れてくれる。教会内は冷え切っている。訪問者は秘境探検隊のみなこともあって、この当番の信者はにわかガイドになって、教会内部や最近の教会と信者の関係について説明してくれる。

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 建物の関しては、内部のステンドグラスがこの教会の特色となっているようで、建物の各所にステンドグラスを見ることができる。玄関、礼拝堂の窓部分のデザインは正方形や長方形の組み合わせのシンプルなもので、階段の踊り場のものは蔦をデザインしている。元々この教会の外壁には蔦が生い茂っていたのが、建物の保存の観点から蔦を取り払ってしまったので、このステンドガラスがその代用の役目を負っている。

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 礼拝堂の後ろの壁の高みに西欧の教会で見るようなキリストの顔や聖書に題材を取ったステンドグラスが飾られている。これは札幌で工房を持っているステンドグラス・アーティストが、フランス各地の聖堂で模写して製作したものをこの教会に寄贈したものである。残念ながらこのステンドグラスは窓の部分に取り付けられていないので、ステンドグラスの本来の光の芸術の部分の素晴らしさが消されている。

 ステンドグラスは、素人が思っているよりはお金のかかる芸術品のようである。昨今は教会の台所も苦しいようで、ステンドグラス一つとっても、充分なお金をかけられないと推測できる。ましてや、年季物の教会の建物を維持管理していくのは大変ではなかろうか。観光客が好んでこの絵になる教会の建物を写真に撮っていく一方で、教会の活動のための資金集めという秘境部分は写真に写されることはない。

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