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2006年12月12日

鮭の遡る厚田川

 秋になると、大都会札幌を流れる川に鮭の遡上が話題となる。一度は川を遡る鮭を見たいものだと思っていても、見る機会もなく秋は足早に去っていくのが毎年の事である。今年は大都会の秘境探検であちらこちらと行っており、鮭の遡上もこの目で確かめることができれば秘境のテーマに組み込もうと考えていた。

 そんな時、新聞に橋の上から鮭の遡上を観察できる場所があるとの記事がでていて、早速行ってみることにする。場所は大都会から離れているけれど、石狩市厚田で、市内には違いない。厚田は二〇〇五年に市町村合併で石狩市、浜益村と一緒に石狩市となる前までは厚田村であった。この村出身の作家、子母沢寛の小説「厚田村」の地である。

 新聞の記事の地図を頼りに、国道231号線を北に走り、厚田支所から道道11号線の月形厚田線に折れて進む。生憎の雨模様であったけれど、天気がよければ周囲の山々の紅葉が映える季節である。しばらくこの道を行くけれど、記事に出ていた脇道の林道古潭越線が見つからない。廃校になった小学校のところで停車する。


 この小学校は「厚田村立発足小学校」で一九〇三年(明治三十六年)に開校し、百年後の二〇〇三年(平成十五年)に校史を終えている。現在は発足地区交流センターに衣替えしている。それにしても開拓から百年経って小学校が閉校になるとは、その点だけでみると開拓百年は後戻りの歴史であったのか、と考えざるを得ない。

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 発足小学校の元校舎から来た道を戻ると、途中に橋を見つけた。これが新聞に出ていた「やまなみ橋」で厚田川に架かっている。確かに道の看板も出ている。降りて橋に近づいてみると既に先客が一人居て、橋の欄干から川面を覗いている。鮭が見えますかと声を掛けると、水中ではっきりしない鮭の姿を教えてくれる。「ほっちゃれ」に近くなっていて、一部分表皮がとれて皮膚が白くなった鮭が流れに向かって留まっているのを確認できた。五,六匹を目で数えることができた。

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 この状況で鮭を写真に収めるのは難しいとは思ったけれど、何枚か撮ってみる。やはり、水中の鮭を確認できる写真は撮れず、鮭が白い腹を横にした瞬間のピンボケの写真が精々のところである。でも、鮭が遡るか産卵しているのかの現場を見ることができたので、来た甲斐があったというべきである。よい写真を撮るのは来年の課題にしようと思った。

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