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2007年06月05日

石狩浜海浜植物保護センター

 砂浜の花はハマナス、ハマエンドウ、ハマボウフウぐらいしか思い浮かばず、その程度の花ぐらいしか見ることができないだろうと漠然と思っていた。海浜植物保護センターとは名前が大袈裟な施設と思いつつ訪ねてみた。場所は石狩の海水浴場近くで、シーズンには海水浴客の自動車で埋め尽くされるパーキング場に面している。入館料無料である。

 センターは展示スペースのある1階部と展望室のある塔部分が組み合わさった建屋になっている。展望室から見ると、近くの駐車場、その向こうに広がる石狩浜、さらに石狩湾と眺望が開ける。展望室はちょっとした秘境空間である。

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 シーズンオフの日曜日で、館内は誰も居ない。壁や衝立に石狩浜の植物のパネル展示がある。この展示やパンフレットに目を通すと、海浜の植生が多様なものであることが分かる。ハマナスやハマボウフウばかりではないのである。砂地でよくこんなに多種類の花が咲いているものであると感心する。

 イソスミレは早春の浜で一番先に開花して、ここ石狩の浜が日本海側北限の自生地であるとの知識を得ると、実際にイソスミレを見て、こんなところにスミレの花がある、といった以上の興味が湧く。知識は興味を増強させる。このセンターの大きな役目の一つは、海浜直物の知識を得る場を提供することで、一般市民の海浜植物の興味を促進することにあるようだ。

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館につなげて、散歩道に沿って海浜植物を並べた館外植物園があり、石狩の浜で見ることができる植物が並んでいる。訪れた6月の上旬はハマエンドウの花が盛りで、赤紫、青紫を塗り合わせたような色の花をカメラに収めた。イソスミレの小さな株も目についた。ハマナスは葉ばかりで、花は未だ見ることができなかった。

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 保護センターの文字通りの役目として、海浜植物の環境保護や植生地の拡大の活動も写真等で知ることができる。バギー車やオートバイで砂浜を荒らし回る行為は困ったものである。不法投棄の問題もある。国内の問題ばかりではなく、海外のゴミが波に乗って石狩の浜まで漂着する。砂浜で海浜の花を観賞する隣合わせで、環境を破壊している問題点がこのセンターのパネル展示で認識させられる。 

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