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2007年09月09日

緑葉公園の安田侃の作品

 北広島市は札幌市のベッドタウンの性格を持っている。そのため団地や住宅街がJR北広島駅を中心に開発が進み、特にJR千歳線の西側にはいくつもの団地が丘陵地帯に展開している。都市計画に沿って住宅地が開発されたことは、大きな緑葉公園が住宅地に取り囲まれるようにしてあることで分かる。

 この緑葉公園には野球場、サッカー場、テニスコートなどの施設があり、遊歩道も整備されているので、市民が屋外スポーツを楽しむように設計された公園である。この公園に彫刻家安田侃の作品が設置されているというので見に行く。その前日には北海道新聞にローマ発の記事で、安田侃の個展がローマ帝国の遺跡群「フォロ・ロマーノ」で始まったというのを読んだことも探検先に選んだ理由の一つでもある。

 安田侃は美唄市出身で、イタリアの大理石を素材にした彫刻を手がけている。札幌市にもJR札幌駅の「妙夢」、知事公館の「意心帰」、中島公園の「相響」などがある。それにしてもこれらの彫刻名は意味不明である。

 彫刻名はさておいて、探検にもどる。緑葉公園の第一駐車場に車を止めて、レンガ造りの階段を登る。小高いところに広場が開け、ここに「新生」と名づけられた大理石の作品が黒い御影石の塔の上に設置されている。設置年は1979年となっているので約30年前のことになる。寄贈者はダウ化工株式会社となっている。この会社と北広島市の関係は分からない。

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 白大理石の作品は卵をイメージさせる。しかし見る方向を変えると球体に切れ込みが入っていて卵でもなさそうである。この種の作品に具体的物を当てはめても意味はないけれど、文章だけで表現しようとすれば、何に似ている、と書かねばならない。この点、画像データもテキストデータと一緒に表示できるブログは、このような作品紹介では強力な手段である。

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 この作品のある場所から少し高いところから見ると、同心円状で植えられた芝生の内側の円のはずれに立っている。この全体の配置も彫刻と一緒にしてデザインされているのであろう。彫刻の向こうには北広島の住宅街が台風一過の夏の終わりの空の下にあった。

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