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2020年07月02日

爪句集(第44集)あとがき

あとがき(第44集)
 本爪句集は書名にもある通り、札幌市西区西野の住宅街に接してある西野市民の森の散策路で撮影した自然や動植物の写真を基にしている。時期的には2019年から2020年にかけての春夏秋冬である。約1年間をかけて観察するとこれほど多様な写真の対象があるのだと、爪句集にまとめてみて改めて気づく。
 四季を通じての景観は全球パノラマ写真の技法で表現している。小さな豆本に印刷したQRコードをタブレットやスマホで読み取ることで、全視野の写真として鑑賞することができる。特にドローンを森の上に飛ばして撮影した空撮パノラマ写真は、鳥の目で見た景観となっていて、通常の写真集では表現できないものである。
 さらに、地上で撮った野鳥や植物の写真を空撮パノラマ写真の天空部分に貼りつけることにより、新しい写真法や写真による表現法を編み出している。現時点ではほとんど目にすることのないこの写真技法は、将来新しい写真のジャンルを開拓してゆくのではないかと期待している。そのような写真を紙媒体で表現しインターネットを介して鑑賞するのは、紙とインターネットを融合させた新しい本や写真集の先駆けになるものだと自負している。
 さて、本爪句集は通巻で第44集目となる。爪句集出版の当初、区切りが良いので50巻出版を目標に掲げて、機会ある毎に宣言していた。それが第44集まで到達して全50巻の出版が視野に入ってきた。
 2008年の1月に第1集目を出版しているので、大体1年に3.5集のペースで出版してきている。このペースなら残りの6集は後2年、著者が80歳になった年に完結することになる。爪句集のテーマも全50巻で取り上げきれないものがあっても、不足する事はない。なにせ毎日投稿しているブログ記事を編集して爪句集にしているので、素材は日毎に溜まっている。
 こうなると全50巻出版に向けて残る問題は出版費用である。現役時代なら講演会とか原稿書きとかで入ってくる雑収入を出版費用に回せるところ、完全な年金生活者になり、年金の他に収入の当てがほとんど見込めない状況では、出版費用は重荷である。
 その打開策としてビットコインのような仮想通貨の運用益というのも考えたけれど、思ったようには上手くゆかない。爪句集出版用の仮想通貨(トークン)を発行し、自分で仮想通貨もどきの流通を行って出版費用の代替をする方法も理論的には考えられる。しかし、経験がないので何ともいえない。
 最近の爪句集はクラウドファンディング(CF)を利用して出版資金を募っている。ただ、この世界も簡単に資金が集まるものでもない。CFのリターン(返礼品)は当然出版した爪句集である。これはCFで爪句集の予約販売を行っているといってもよい。普通に書店に並べても売れない爪句集であれば、CFで良い条件(爪句集に名前が記載され、郵送で受け取れる)が提示されたとしても、ネットでの申し込みのバリアーが高く、加えて宣伝も十分でなく、見ず知らずの支援者は増えない。
 売れない爪句集の自費出版では在庫の問題も頭が痛い。CFのリターンとして、これまで出版してきた爪句集を自治体の図書施設や大学・学校の図書館に寄贈することを考えている。これが上手くゆけば爪句集が実質的に売れ、在庫が減り、自著が図書館に収まる、と1石3鳥にもなる。しかし、それは虫が良すぎる事で、数例が実現しただけである。
 それはともあれ、本爪句集の出版のCFに支援していただいた方々のお名前をこのあとがきの最後に列記し、お礼申し上げる。出版に際してはいつものように共同文化社と㈱アイワードにお世話になっており、関係者にお礼申し上げる。毎回の爪句集出版に後方支援に徹してもらっている妻にも感謝の言葉を最後に記しておきたい。

クラウドファンディング支援者のお名前(敬称略、寄付順、2020年6月30日現在)
〇澤〇子、〇澤〇奈子、〇橋〇一、〇賀〇輝、〇橋〇睴、〇橋 淳、〇 信子、〇笠〇 駿、〇木〇子、〇黒〇文、ak、〇山〇紀、〇見〇樹、〇倉〇男、〇藤〇樹

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