襟裳岬は風の強いところである。海に落ち込む崖の上の土地には潅木さえも見られず、風を避けるものとてないところに、低い草が這うように広がっている。そこに背たけの低い黄色い花が咲いている。キジムシロ(雉蓆)の花のようである。アポイキンバイに似ているが、葉がかなり違っている。インターネットには「花後に葉が大きく伸びて、キジが座って休めるようなむしろのように、座布団状にきれいに広がることから」名づけられたと書かれているけれど、意味がよくつかめない。
風強き 岬に立てば キジムシロ
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雉休む 蓆も見えず キジムシロ
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