2015年08月24日
雨竜沼湿原行2
湿原の木道でパノラマ写真を撮っていると、同行者のグループから次第に遅れ、木道の先を行くグループの姿が見えなくなってしまう。振り返ると後からくる別のパーティの姿がある。一本道なので置いてゆかれても困ることはない。木道から沼の水面が見えるけれど、近づくことはできない。
木道の傍に草丈のある白い穂の花が咲いている。後で調べてナガボノシロワレモコウと知る。これまで目にした記憶のない花である。ワレモコウは漢字名「吾亦紅」で花は紅色なのが、白く長穂の花でこの名前がついたようだ。湿原には紅色の花より白花の方が似合っている。
花穂垂れて シロワレモコウ 湿原花
沼に空が映っているところをパノラマ写真で撮ってみる。しかし、これはなかなか良い写真が撮れない。生憎の曇り空で沼の水面に青空が映らない。景観のパノラマ写真では普通の写真同様、天気が決め手になる場合が多い。沼の中の小島に花の青紫色が見えるけれど、パノラマ写真を拡大してもはっきりしない。サワギキョウの花のようで、花だけを望遠レンズでとってみる。
沼の傍に咲いている青紫の花を望遠レンズで撮ってみる。サワギキョウである。木道の縁に咲いているエゾリンドウの花も同系の青紫色で、撮った写真で色を比べてみる。サワギキョウの方が紫に近く、エゾリンドウの方が青に近いかと、時々行う爪句集印刷に当たっての見返しの色選びで、微妙な色の差異を見分ける作業のようである。
青紫(せいし)色 沼を背に咲き サワギキョウ
紫に 青が勝りて エゾリンドウ
湿原地から下山して管理棟前で同行者全員が揃うまで休息である。買ってもらった缶ビールを飲む合間に、管理棟の中のパノラマ写真を撮る。後日パノラマ写真を回転しながら後追いで探勝上の注意を読む。普通に木道を歩くだけなら注意事項に触れることはないのだが、一応事後の注意事項のチェックである。