牡丹は木花である。冬の間は枯れた低木のようで、これに花が咲くとも思われない。しかし、春になると雪の重みに押しつぶされて曲がった枯れ枝から葉が出て、花芽をつける。そのうち葉はしっかりと広がり、牡丹の蕾が開きだす。中国では花の王に喩えられるだけあって、辺りの花と比べると、一段と優雅な花を開く。花びらも大きく何重にも重なっているので花が重くなるらしく、支えがないと花が地面に垂れてしまう。雨の日には、花が雨滴を抱え、その重さを茎は支えられない。
花重く 地に近づきて 咲く牡丹
雨滴受け 下向き咲きて 牡丹花