2006年12月12日

龍徳寺の日本一の木魚

 小樽の龍徳寺に日本一大きな木魚があるという情報を得て実物を見に行くことにする。札幌から国道5号線で小樽に向かい、JR小樽築港駅を少し過ぎ小樽の市街地に入る国道沿いに大きな寺の屋根が見えてくる。このお寺が目指す曹洞宗龍徳寺である。このお寺は一八五七年(安政四年)創建というから道内では古刹である。

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 境内は駐車場が広く取られていて、行事もないせいか当方の車の他には一台あるきりのところで、他の車に気を配る必要もなく止める。駐車場のある境内には大きな銀杏の木が二本あり、夫婦の銀杏と呼ばれている。寺の建屋には自由に出入りできるようになっているので、日本一の木魚を探して本殿の仏間に歩を進める。仏間の脇の座布団の上に鎮座ましまして、袈裟のような覆いを被って木魚のお姿があった。覆いを取って写真撮影である。

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 この木魚は檀家からの寄進で九州産の楠で作られていている。直径一・三m、高さ一m、重さ三百三十kgで、木魚を叩く「バイ」も長さ一m、重さ五kgもある。叩いたらどんな音がするのだろうか。

 木魚の作り方は木にスリットと空洞を作り、これを叩くと空洞内部で反響して音が出る。よく木魚の音として「ポクポク」という擬音が用いられるけれど、空洞の木を叩いた音に近いのは間違いない。木魚を楽器とみればスリットドラムに分類されるだろう。

 しかし、木魚の内をくりぬいて空洞を作るのはどうして行うのだろうか。インターネットで木魚制作工房のサイトにアクセスすると、スリット部分から特殊なノミをいれて中を削りだしていくらしい。職人技である。でも、木魚を作る職人も少なくなって来ているそうで、これも時代の流れなのだろう。

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 そもそも木魚は寺で使われている魚の形をした魚板(魚鼓)から発祥しているといわれている。木魚には魚の形がデザインされたりする。何で魚に拘るかというと、魚は日夜を問わず目を閉じないので、日夜修行に精進せよという意味を魚板や木魚に込めていることに由来するそうである。確かに、木魚を叩いてその音で眠気を追い払う物理的な効果もありそうだ。

 余談ながら、多くの動物は目を閉じて眠る。魚のように目を開けて眠ると、他の動物に眠っていることを外見で悟られない。この方が身を守るのによくて、進化の過程でどうして眠るときに目を閉じるようになったのか。両目とも閉じないで、片目だけでも開けて眠っているとか…