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2007年11月18日

アートスペース外輪船での韓国劇団の公演

 劇団「ドラマシアターども」が主催して、韓国・春川(チュンチョン)市の劇団DOMOが江別のアートスペース外輪船で演目「悪夢」を公演したのを観に行った。日韓両国で、めった聞くことのない言葉「ども・DOMO」の同名の劇団があったとは奇縁である。

 石造りの旧岡田倉庫を利用した演劇スペースは、建物内に音響装置が設置されており、屋根部分には照明が並べられている。音響や照明の制御は、観客席の後ろの二階部分で行われることになる。舞台は倉庫の床の部分がそのまま使われるので、観客は高い舞台で演じられる劇を見る訳ではなく、役者の近くで同じ目線で観ることになる。元々は演劇用には造られていない建物を演劇場に転用したため、演劇を間近で観賞することができるという、最初意図していなかった効果をもたらしている。

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 元の倉庫の横に玄関部分を増設しており、ここが劇場への入口となる。切符の販売やチェックはこの玄関で行われる。建物内は半分が舞台、半分が観客席に区切られていて、観客席は床に座る部分と数段の階段状にした椅子席が設けられている。入場時の入口のところに「ドラマシアターども」を主宰している安念智康氏が立っているのが見える。

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 今回の公演の出し物「悪夢」はチャールズ・デッケンズ原作の「クリスマスキャロル」を脚色したものである。この物語の筋は大体知っているので、韓国語のセリフは理解できないけれど、物語の筋に従って場面、場面で演じられるものを理解するのはそれほど難しくはない。言語が違う場合、世界に知られる名作を脚本化するのは、通訳や翻訳無しで演劇が楽しめる工夫であると実感した。

 公演終了後は出演者のサイン会というのもあって、劇団員の顔写真が載っているパンフレットを購入してそれにサインしてもらう。写真の左端に居るのは演出を受け持った黄雲基(ホァン・ウンギ)氏、その右隣はスカーレット役の安珉貞(アン・ミンジョン)さん、さらに右隣はスクルジ役の黄雲涌(ファン・ウニョン)氏である。韓国の若い力が同国の演劇を牽引している感じである。

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 今回の劇団DOMOの日本公演は12名の団員で約3週間、日本各地を回る予定とのことである。日本の各公演都市では、この劇団を支援する団体がボランティア活動で公演を支えている。江別では支援者は先に述べた劇団「ドラマシアターども」の関係者であり、旧岡田倉庫活用民間運営協議会である。そこには補助金等に頼らない手弁当で演劇に関わる活動があり、江別の演劇が海外と交流するまで広がりを見せている。

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