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2008年06月22日

旧岡田家住宅

 千歳川に並行して伸びる5条1丁目通は、かつて江別随一の繁華街であったろう思われる。今は街外れといった感じのこの通りに面して、木造二階建ての建物があり、「やきもの21」の看板が掲げられている。これはNPO法人の看板で、この建物は同法人の事務所が入っている。

 「やきもの21」は江別が窯業に特色がある点をバックグラウンドにして、街興しや文化・芸術活動の支援や推進を目的とした活動を行っている。江別やきもの市を毎年開催して、10万人を超える人を集めている。やきもの市ではレンガのドミノ倒しが恒例の人気イベントである。

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 この法人の事務所のある建物は雑穀商を営んでいた岡田家の住宅兼事務所で、1935年(昭和10年)に建てられたものである。岡田氏は衆議院議員も務めた経歴があり、かつての江別の政治・経済の舞台であっただろう建物である。この建物に隣接してある石造りの旧岡田倉庫は市に寄贈され、現在はアートシアター「外輪船」に変身している。

 建物は通りから見ると二階建てであるけれど、一階の母屋部分があってこちらが住居であったようである。在来工法の建物で、玄関から廊下が続いている。廊下からガラス戸越しに庭を眺めることができる。廊下と和室は障子戸で仕切られている。

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 部屋には数点の調度品が置かれていて、かつての家主の肖像写真も飾ってある。それらに加えて大きな金庫が置かれているのは、商家の名残である。耐火式の頑丈な金庫であるけれど、今は使われてはいないだろう。一般の見学に開放されている様子もなく、外輪船のイベント時に特別に利用されるようである。

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 江別には旧岡田家住宅と同様な石倉を持つ和式の住宅が残っており、JR江別駅近くの萩ヶ岡にある岩田家住宅と石蔵などがある。これらの時代をくぐり抜けて来た建物が取り残されていて、それが江別の街の現在と重なる印象は否めない。

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