2008年07月06日

木製井戸枠と現代の水道

 江別駅前広場に面して江別水道庁舎がある。レンガ造りの概観で、佐藤忠良氏制作の「少女」のブロンズ像が設置されていて、この部分の景観はなかなかのものである。この建物の一階ロビーに過去の水道事業に関連した遺物が展示されている。それは木製の井戸枠で、1981年庁舎建設に際しての発掘調査で出土したものである。この井戸枠の他に竹製樋や鉄管なども見つかっており、それらの出土品の一部も並べられている。

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 江別の地質の構造から、火山灰、粘土層による自然ろ過作用でよい水が得られた土地柄であった。水道庁舎のある場所は萩ヶ岡で、この地区に水源涵養林があり、井戸が掘られて生活用水や酒造にも利用されていた。井戸組合も形成され、井戸水の管理が行われた。

 しかし、近代化により地下からの水は飲料水として利用されることは、他都市と同様行われなくなった。何が流れ込んでいるか分からない都市周辺の地下水ほど危ない飲み水はない、との浄水場の関係者の話は説得力がある。1956年に上江別に浄水場が設けられ、ここから上水道による水が市民に供給されるようになった。

 その現代の水道水の造られ方を駆け足で見てくることにした。浄水場は江別駅から自転車で5分程度、早苗別川の近くにある。急な見学申し込みであったけれど、係りの方が対応してくれ、一通り現代の水造りと供給をこの目で確かめることができた。


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 ここの浄水場は千歳川からの川水をろ過して造っている。千歳川からの川水の混濁度を常時水槽でモニターしていて、水槽の中にはウグイが泳いでいた。取込んだ川水に粉末状の活性炭をホッパーから水に注入して、不純物を活性炭粉末に取り込んでろ過していく。ろ過に使う活性炭は椰子がらを原料にして日本で作られるものだそうである。

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 浄水場内には沈殿プールがあり、きれいになった水取り込まれている様子を見ることができる。飲み水としての殺菌のため次亜塩素酸ナトリウムの注入や水道水のPH値を制御するために消石灰の注入を行う処理過程を経て、ポンプにより給水が行われる。これらの一連の工程は監視室で監視・制御されている。

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 見学した日にはちょうど小学生の見学日と重なっていて、玄関には小学生達の靴が並んでいた。毎日自分達が飲み利用する水道水がどのように造られているのかを見て理解するのは大切なことで、それが広く行われるようになれば、浄水場は都市秘境のテーマから外れることになる。

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