2008年07月30日

健土健民ブランド

 酪農学園大学の視察に加わった時、大学で作られているパックの牛乳が出され、それに「健土健民」と書かれてあった。この言葉はこの大学の建学の精神であり、大学の創始者黒澤酉蔵の目指したものである。それが大学製乳製品のブランド名になって目の前にある。

 黒澤は足尾鉱毒事件を糾弾した田中正造の思想的弟子にあたる。鉱毒事件に関連して刑務所に入れられた時に聖書を読み、キリスト教に入信している。黒澤が北海道の酪農の範にしようとしたデンマークにキリスト教徒グルンドービーが居て、この偉人の、神を愛し、人を愛し、土を愛する「三愛精神」の具体的目標が健土健民であるともいえる。同学園に属する「とわの森三愛高校」の名前はこの「三愛精神」に由来する。

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 黒澤は健土健民実現の方法論として酪農の「天地人」循環農法論を提唱していて、この図は黒澤記念講堂の中に布に描かれて飾られている。天は太陽のエネルギーがもたらす自然であり、地は食べ物を生み出す大地であり、人は家畜を飼いながらその排泄物を土に戻し、牧草を育て、家畜の餌にして、乳製品や肉を得る、という一連の循環が途切れないようにする。短絡的で長続きしない収奪農業からの脱却を目指している。

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 土作りは堆肥作りでもあり、工夫した堆肥場造りの例を、研究を遂行している同大学のエクステンションセンター長の干場信司先生に案内してもらった。廃棄された電柱を組み合わせてそれにシートを張った簡易屋根の堆肥場である。電柱が堆肥場に利用されているとは想像もできなかった。

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 この堆肥場の近くに雄牛の飼育場があった。学外からの雄牛を学生が世話をして大きくして持ち主に戻す。肉になった一部は世話をした学生達が食べることになる。自分達が世話をした牛の肉を口にすれば、他の生き物の命をもらって人間が生きている実感を得る良い機会なのかも知れない。

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 健土健民ブランドにつながる他の乳製品も大学内で造られている。アイスクリーム、チーズ、肉製品等々とある。大学の生協を覗いてみるとこれらの製品が並べられている。酪農学園大学のブランド名のソーセージもあった。同大学で行われている研究に、霜降り牛の豚版で、サシのある豚肉を飼料で作り出すというのがある。これなんかが確実な技術になれば、同大学の肉製品のブランドは高まること請け合いである。

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