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2008年09月28日

影の薄い一等三角点

 三角測量の原理は、地表(地図)上に定めた二点間の基線の距離と、新しく設けた点への基線からの角度を求めて、三角法の計算で新しい点の位置(距離)を求める。求めた新しい点の位置を利用してさらに次の点を求めていく。この三角測量で日本の国土の地形図データを求めるため、基準となる点を等級分けで設置している。

 最も基本となる三角点は一等三角点で、設置間隔は四十五kmで全国に約一千点ある。次のは二等三角点で間隔八km、全国に約五千点、その下が三等三角点と分類が続く。一等三角点は測量に際しての見通しがきくこと、三角点が失われないことなどから高い山の頂上に設置されることが多い。しかし、平地にも一等三角点が人目もひかずにあったりする。

 札幌の街の平地にある一等三角点は三角点の名称である点名でいうと、「札幌南端」、「札幌北端」がある。これらの三角点を結ぶ基線を正確に測り、三角測量の基礎データにするためのものであり、一八九七年(明治三十三年)に両点間の長さの測量が行われて、4539.7703mのデータが得られている。この値では四・五kmの距離を十分の一mmまで測っていることになり、当時ではちょっと信じられない精度である。測定装置はアメリカ式のヒルガード式基線尺である。

 南端点は北十一条東一丁目の創成川沿いの空き地にある。南端点の横を創成川通が延びていて、車の往来が激しい。南端点に関する説明掲示板も設置されている。北端点の方は創成川通を北の方に進んで、北四十五条東一丁目にある創成川下水処理場の構内の一画にある。草を少し除いてみると、北端点は礎石ではなく金属の円盤状のもので、一等水準点と記されている。

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 この水準点は一九八六年に旧位置から南方二百八十八mの現在地に移転されている。ただし、三角点を勝手に移動することはできず、円形プレートの表面に「この測量標を移転き損すると測量法により罰せられます」の注意書きがある。

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 これらの一等三角点の他に点名「厚別」の一等三角点が厚別区にあるというので探しに行く。この三角点は厚別三条三丁目五-二のアパートの横の自転車置き場にあった。三角点は鉄製の蓋が被せられていて、特殊な工具がないと蓋を開けることができないので、蓋の写真だけを撮る。蓋には三角点、基本の文字に加えて、建設省国土地理院と昔の役所名があった。多分蓋の下には十字が刻まれた三角点の礎石があるのだろう。

 それにしても、自転車置き場の人目につかない地面にあるとは、平地では一等三角点は影が薄い存在である。

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