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2009年06月01日

あそぶべ公園のライラック

 公園名には大通公園のように場所を表すものの他、すずらん公園、ライラック公園のような花の名前、やまばと公園、かっこう公園のような鳥の名前、木の名前、川の名前と色々ある。しかし、あそぶべ公園のネーミングは異色である。地下鉄東西線のバスセンター駅から北に一区画歩くとある小さな公園で、道路地図にも公園名が出ていない。平日の日中の公園には親子連れが一組居ただけである。ライラックの花木があって、丁度この木花の季節で、公園横の道路を歩くと目に留まる。

あそぶべや 遊ぶ親子に リラの花

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遊具有り 遊ぶ子の無く ライラック

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 思いがけず懐かしい名前を目にしました。「あそぶべ公園」ができてから30年以上経ちます。私もその設計に携わったひとりです。
 その昔、板垣札幌市長が若者に市政参加の場を提供してくれていた時代がありました。成人式をきっかけに「はたちのつどい」という集まりを設け、札幌市の予算を有効活用するという事業があったのです。
 各区(当時は7区)の代表が集まり、それぞれの案を練って持ち寄り、採用されたものを実現させました。内容はその年によって違いますが、公園のベンチを作るとか、横断歩道に盲人用音声ガイドをつけるというアイデアが採用されました。
 当時、中央区にいた私たちの案は採用されなかったのですが、折角若者が集まったからと、区の事業として中央区の小さな公園の設計をやらせてくれることになったのです。幸い仲間に北大の工学部在籍の人がいたので、彼を中心に意見を出し合い、プロの人の力も借りながら作ったのが「あそぶべ公園」です。ネーミングも仲間の案で決まりました。
 できた当時は小さな丘型の滑り台があり、ベンチなども木製の手作り、看板も製作者たちの名前を入れたものを自分たちで作り、下げていました。今はリニューアルされて残っているのは名前だけという感じですが、近くを通るたびに、若かりし頃の懐かしい思い出がよみがえります。

 この公園にはそんな歴史がありましたか。道理でネーミングが他の公園とは一風変わっています。「あそぶべ」と言って遊んだのは、公園設計の若者達だったのだ。札幌市の公園名はありきたりの似通ったものが多いなかで、このような名前はそれだけで公園の売りになりそうです。

  • 都市秘境作家
  • 2009年06月04日 15:31
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