2010年12月06日

北海道神宮頓宮の狛犬の雌雄-続き

 境内の鳥居の近くに、平成6(1994)年奉納の現代的狛犬が参拝客を出迎えている。狛犬のデザインもここまで進化したかと思われる一対である。古い狛犬で行った雌雄の判別を、この新狛犬で行ってみようとすると、これが難しい。狛犬本体の付属物がないので、座り立ち姿勢の二頭の狛犬の違いは阿吽の口で、これから雌雄は決められない。口を開けているのは喋っている姿で、人間では寡黙な男性と饒舌な女性の類推で、阿形が雌、吽形が雄という説もありうるかもしれない。しかし、動物なら、口を開け吠えている方が雄というのも説得力がある。
 口の他に二匹の狛犬の特徴的な差はそのたてがみである。阿形は巻き毛で吽形は直毛に近い。さて、この差で雌雄の区別ができるのか。またまた人間を持ち出すと、地毛は直毛でも美容院でカールのかかった髪型にするのは女性なので、その例に倣えば、ここでも阿形が雌ということになるか。でも、動物の世界では外見の派手なものが雄と通り相場であるので、人間世界とは逆で、巻き毛のある方が雄ともいえそうである。

雄阿形 巻き毛の表す 獅子姿

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 もう一つ見落としてしまいそうなのが角の勇無である。現代では一対の狛犬は阿形でも吽形でも狛犬であるけれど、平安時代に遡ると、宮中や寺院に置かれたものは獅子と狛犬で、狛犬の頭部には角があった。そのうち口を開けた獅子と角があり口を閉じた狛犬が対で置かれるようになり、両方とも狛犬となり、阿吽の狛犬と称されるようになっている。阿吽の狛犬の置き方にも規則があって、神社の入口に向かって右側が阿形の狛犬(獅子)左が吽形の狛犬(角有り)となる。頓宮の古い狛犬の置かれ方はこの規則とは逆で、吽形の狛犬には角は無い。
 これに対して、モダンなデザインの狛犬は、意外にも大昔の規則に則っているのである。左側に置かれた吽形の狛犬には角がデザインされている。右側の阿形のものには角がなく、これは獅子なのである。したがって、一対の狛犬として雌雄を決めるのは、両方とも狛犬とする前提が崩れて意味がないのだけれど、それでも雌雄を決めたくなる。角のある吽形は雌である。女性には角があるという、人間の特性のからの類推である。

角ありて これは雌なり 吽形犬

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 札幌では、6月中旬の北海道神宮の例大祭を春から夏への季節の境目にしている。例大祭では神輿の渡御があり、北海道神宮の4祭神である大国魂神、大那牟遅神、少彦名神、明治天皇の神輿が行列を作って札幌の街を進む。神輿は昼には頓宮に到着してここで遥拝の儀式となる。この時には境内の狛犬も儀式に参加することになり、巫女の神楽の舞いを見つめる役を負っている。

頓宮は お休み処 神輿渡御

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