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2010年12月07日

ハルニレの大木が御神木の中の島神社

 環状通が豊平川を跨ぐところに南19条大橋がある。この橋を、中央区から豊平区に向かって渡ってすぐに、中の島通との交差点のところに神社があるのが車の中からも良く見える。中の島神社である。境内の境目がはっきりしていなくて、街の中の狭い緑地に取り残されたように神社がある、といった趣である。
 創祀は1877(明治10)年頃で、現在もあるカエデの大木のところに祠を祀ったのが始まりである。この時の祭神は境内にある説明板にも書かれていて、大国主命-土地の幸せを護る神様、稲倉魂命(いなくらたまのみこと)-食物と商売繁盛の神様、水波能亮命(みずはのめのみこと)-水の神様である。1935(昭和10)年社殿を新しく造り、戦後に政教分離により道立水産孵化場の祭神弁天宮命(べんてんぐうのみこと)-水の神様を移し合祀している。
 社殿は簡素な造りで、それを補強して、ここが神社の境内であることを強調するかのように一対の狛犬が置かれている。吽形はもう終わりに近い黄葉を背に、すました貌に見える。犬というより猿の貌に近い印象である。貌の彫りには力が入っている割には、身体の部分は技巧が見られない。頭部につけたしの身体の感じである。

紅葉を 背にしてすます 猿似貌

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 阿形の方も立派な造りの貌に対して、身体の造形が貌に伴わない。左足で玉を抑えているのだが、脚の関節表現に手こずった感じである。大きく開いた口にある歯の一部が白くなっていて、欠けたものを補強したためか、何かの原因で軟石に白色が着いたようである。何か、虫歯の治療をしたように見えてくる。

阿形犬 治療の跡か 白歯見え

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 こちらは歯ではなく、葉をすっかり落としたハルニレの大木が二本境内にある。御神木であり、その説明板が設置されている。樹齢200年以上で、「地の神」が宿っていると伝えられ、触れると足腰の疲れ、肩こり等の健康回復、頭の切り替えにも良いと言われていた、という御神木の効能書きがあった。

ハルニレは 葉落ちの枝で 御神木

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 境内の東隣は中の島中学校で、小さな「中の島かわら公園」があり、傍を精進川が流れている。精進川に沿って“けもの道”のような小道が続いていて、北の方に歩いてゆくと中の島小学校の横に出る。精進川は自然の小川に回帰のための工事が行われた川で、児童の室外授業が行われているのに出会ったりすることがある。
 精進川は中の島小学校の横を流れ、桜並木の名所で知られる開発土木研究所の構内を横切ってから、豊平川に注いで終わる。

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