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2010年12月08日

種々の狛犬がいる湯の里の定山渓神社

 国道230号で定山渓温泉に入り、国道から見て山側の小高いところにこの神社の境内がある。温泉街に行くには、国道から豊平川の方向に向かって降りていくことになる。山裾にある境内は広く、1140坪(3770平方メートル)弱もある。国道に面して大きな鳥居があり、社名の標石も建っていて、ここから境内が始まっている。

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 創祀は1905(明治38)年、天照大神を祀ったこととされ、1918(大正7)年社殿を新築して、大己貴神(おおむなちのかみ)、少彦名神(すくなひこのかみ)、大山祇神(おおやまつみのかみ)、罔象女命(みつはのめのみこと)、金山彦神(かなやまひこのかみ)を合祀した。定山渓神社としては1934(昭和9)年の建立で、1950(昭和25)年美泉定山(びせんじょうざん)が合祀され、1953(昭和28)年に社殿が造られている。美泉定山は岡山の人で、1886(安政3)年に渡道して、1868(明治元)年定山渓の地で地元民の案内で温泉を発見した。1871(明治4)年には開拓使から湯守を命じられている。定山渓はこの美泉定山の名前から命名されている。
 鳥居をくぐり、坂になった参道を進むと最初の狛犬と対面である。阿形が左、吽形が右に配置され、いずれも上を向いていて、境内に入る人には注意を払っていないような感じである。阿形は口を開けて威嚇しているというより、大笑いでもしているかのように見える。

上を向き 呵々大笑の 大型犬

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 阿形も吽形も顎鬚は渦巻き毛で、首筋から背中にかけて羽根のような浮き彫りの模様がある。この模様は他の狛犬ではあまりお目にかからないもので、たてがみの一部を表しているようにもみえる。小鼻の付け根のところにも巻き毛があるけれど、これも貌の造形として珍しい。台座に刻まれた奉納年は昭和3(1928)年となっている。

小鼻にも 巻き毛を添えて 多毛犬

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 参道を登って行くと、次に現れる狛犬は、最初の出会った狛犬と比べると小ぶりである。彫りも簡素化されたもので、身体の表面の模様もない。鑿の跡が身体の表面に見えるほどである。身体の作りも大雑把で、その太い脚では駆けても人にも追い付けないのではなかろうか。この一対の狛犬は、向かって右が阿形、左が吽形で、最初のものと位置関係が逆になっている。奉納年は昭和9(1934)年になっている。

模様なき 身体(からだ)に走る 鑿の跡

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この脚で 駆けても人に 遅れとり

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