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2013年01月29日

爪句集「あとがき」

 最近の当ブログの記事は「ここはどこ」シリーズで埋めているので、説明の無い写真を載せるだけで楽といえば楽である。その対極という訳ではないけれど、今回は少々長い文章を載せる。


あとがき(「爪句@日々の情景」)

 爪句集の第1集「爪句@札幌&近郊百景」は2008年1月に出版しており、本爪句集で20集目となる。ほぼ5年間で20集であるので、平均して年4集を出版している。このペースは季刊誌なみで、その時々でテーマを変える特集号続きの雑誌みたいである。
 今回の爪句集のテーマは、毎日撮った写真に爪句を付けてブログに載せている「今日の一枚」である。日々気の向くままに撮り、書き、投稿したブログ記事が元原稿になっている。2012年の一年間の365日から、各月17日、計204日を選んで爪句集にまとめている。この数は、爪句の17文字に合わせて各月17日を選んだのが理由ではなく、爪句集は毎回200ページを目安にして出版してきており、それにならってこの数になっている。しかし、偶然にも爪句の文字数と各月の爪句数(写真数)が一致した。
 本爪句集では、天地、360°を記録したパノラマ写真から切り出してきた2次元写真を、日によっては使いながら爪句を作句している。このパノラマ写真の技法は爪句集16集目の「爪句@パノラマ写真の世界-札幌の冬」(2012年5月出版)でも採用している写真技法である。ネットにつながったブログでは、元のパノラマ写真を拡大、縮小、回転の操作を加えながら見ることができる。
 さらに、爪句集のテーマに関してはこれまでの爪句集では、第9集の「爪句@北海道の駅-道央冬編」がある。その延長線で、道内他地域、冬以外の季節の爪句集の出版企画もあたためている。そのために新しく駅の取材を行ってきていて、写真も通常の写真撮影からパノラマ写真に手法が拡大してきている。
 こんな状況にあって、㈱福本工業の肝いりで、全道456駅全駅のパノラマ写真を掲載するサイト「パノ鉄本舗」(http://www.panotetsu.com)が設けられ、そのキックオフパーティが2月末に開かれることになった。本爪句集はそのパーティに間に合わせたい、という時間的制約が加わり、いつもの爪句集出版より1ヶ月ほど作業を短縮して発行することになった。この状況は出版作業を担当する共同文化社とアイワードの関係者を急がせることになった。
 さらに、出版作業の進行中にもパノラマ写真に関して技術的展開があった。原稿を渡した当初、パノラマ写真はインターネットにつながっているPCで見ることを想定していた。しかし、ちょっとした時間にブログを見るのは、今や持ち運びの簡単なタブレットやスマホが主流になりそうな状況にあって、これらの新しい端末に対応したパノラマ写真の配信に一歩踏み出し、この技法を本爪句集にも急遽取り入れることにした。
 豆本サイズにQRコードを印刷し、これを携帯(スマホ)で読み取ってパノラマ写真を見る印刷物は、この豆本が嚆矢となるものではないかと思われる。印刷が進行中にこの試みを行っていて、出版後に何か不具合が起こるかもしれない、という懸念があるものの、新しい試みとして次回以降の豆本にも取り入れて行きたいと考えている。
 上記のような事情の中で、㈱福本工業の福本義隆氏にはパノラマ写真撮影技法からタブレット、スマホで閲覧可能なパノラマ写真の投稿法、その他に関してご助言をいただいている。同社の社員のY氏始めその他の方々には、時折技術的相談に乗ってもらっており、福本氏始め同社の皆さんにお礼申しあげる。
 本爪句集の原稿の元になったブログ「秘境100選」の「今日の一枚」のテーマに毎日のようにコメントを書いていただいた伊東裕(ブログの投稿名)氏が居られる。読み捨てご免のブログにあって、毎日のようにコメントを書かれている伊東氏のお名前を、謝意も込めてここに記しておく。
 出版に関しては、前記のような事情の中で、いつもの通り共同文化社の編集担当者のNさんを急がせることになった。また、印刷を担当した㈱アイワードの関係者にもこの事情は及んだことだろう。Nさんと出版に関係した方々に、毎回の爪句集出版に際してのいつもの通りの謝辞を述べておきたい。
 ブログの「今日の一枚」の原稿は書き溜めることは出来ず、毎日写真を撮り、作句し、文章を書いている。その余裕が出てくるのは、日々の生活での妻のサポートがあったればこそ、である。最後に妻に感謝の言葉を添えて「あとがき」を結ぶ。

窓外に満月を見ながら・・・2013年1月29日
 

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長文のあとがきに続けての駄文は誠に心苦しいのですが折角のコメント蘭ですのでご容赦下さい。
爪句の17文字についてです。
毎月の発刊日が爪句文字数と同じ17日となっているのは偶然の所産であるとのことですが、好奇心の赴くままに調べましたら「17」は爪句にとって誠に幸先の良い数字と判りました。
毎月1回、著名講師を招聘して開催されているeSRU講座は「17日」。
ダイヤモンドのブリリアントカットの正17面体は意外にも定規とコンパスだけで作図出来ることが1796年に成功し、世紀の話題となった。
世界の数学上の難問「フエルマーの法則では「17」は重要な素数と位置づけられております。
序に。
最近続発している殺人などの凶悪犯スピード検挙には高性能防犯カメラ映像解析が威力を発揮しており、これからは停止情報から動態情報へ急展開していると、今朝のテレビ放映でした。
このことから、将来の動物達の爪句題材は、赤外線機能を備えたカメラでの夜間の秘境撮りも有り得るかなとの、秘境作家先生の懐具合も心配しながらの先走り推測です。

  • 伊東 裕
  • 2013年01月30日 14:27

伊東さん 正17面体とあるのはガウスが描画法を考え出した正17角形のことですね。数の17について色々調べていただき、17画数の漢字で「謝」々です。

  • ブログ子
  • 2013年01月30日 15:12
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