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2014年02月15日

HPFhito46・経済界社長佐藤有美氏と江戸しぐさ伝承者山内あやり氏

 「経済界」という雑誌がある。以前、何度かこの雑誌の取材を受けたことがある。特集のグラビアページにまで取り上げられたのは2001年6月12日号で、特集は「土壇場で見せるか、開拓者精神-「札幌」どん底からの出発」である。プロのカメラマンがやってきて、教授室や講義中の教室、テクノパーク、Bizカフェ、はてまた自宅庭で畑起こしをしている写真まで撮られ、同誌に載った。
 多分、記事が出てから後だと思うけれど、同誌を発行している「経済界」の社長だった故佐藤正忠氏が札幌に来られ、ホテルでの朝食に誘われた。ホテルのレストランでの朝食かと思っていたら、スイートルームでルームサービスの朝食でびっくりしたことがある。書道家の氏は、ホテルでも書の作品制作中でもあり、食事中に書の個展の話になったのをぼんやり覚えている。
 正忠氏は2013年に85歳で逝去されている。それ以前の2001年に同社の社長は長女の有美氏にバトンタッチされていて、有美氏の社長業は、12年間続いている。有美氏は秋田で幼少時代を過ごし、東京で仕事をした後、現在の会社に勤めて20年間が過ぎている。
 今回「経済界」主催の講演会があり、有美氏はそれに合わせて来札である。講演会の講師は、江戸しぐさ伝承者でラジオパーソナリティの山内あやり氏である。講演の方は「いき」と「やぼ」の対立する言葉を取り上げ、西(関西)の「粋」、東(江戸)の「いき」、商売で「野暮」と言われたら「いき(生)」が無い等のイントロダクションから始まる。現代のビジネスに通じる江戸の「思草(しぐさ)」についての解説が続く。道産子には江戸は遠いけれど、日本人の共通のベースでの話であるので、社会生活を送り仕事をする上でもっともな知恵と教えは、具体例でも納得する。
 懇親会の時、これはよいチャンスと有美氏と山内氏に並んでもらい、パノラマ写真を撮る。撮影後有美氏と少し雑談である。有美氏の趣味はゴルフと似顔絵描きである。モデルと描いた似顔絵を並べた写真をケータイで見せていただいたが、絵心があり上手なものである。筆者もスケッチを基に画文集を出しているけれど、1枚のスケッチに1時間以上はかかるので、5分で描ける有美氏の技には驚く。
 山内氏は著書「江戸しぐさに学ぶおつきあい術」を幻冬舎から出版していて、講演会場で販売である。懇親会が著書のサイン会のようになって、著作とサインを求めた講演参加者との話に忙しい様子なので、名刺交換程度で終わる。インターネット情報では山内氏は静岡県出身で、鶴見大学文学部日本文学科卒業、「江戸しぐさ語り部の会」主宰者の越川禮子氏に師事し、NPO法人江戸しぐさ理事である。それにしても「あやり」とは変わった名前である。


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(佐藤有美氏(左)と山内あやり氏(右)、画面をクリックでパノラマ写真)

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ネットで調べたのですが、現在、家庭や社会生活で普段何気なく当たり前に使っている「しぐさ」の伝承・語り部に、これほど興味深い時代背景のあることを、今回初めて知りました。

  • 伊東 裕
  • 2014年02月16日 22:11

 しぐさは漢字では「仕草」で、何で「草」の字が来るかといえば、草は地面の上に現れるもので、ちょっとした動作で気持ちを表す、といった意味で「草」なのだそうです。
 それを聞いて、言葉に何で「葉」がつくのかわかった気がしました。葉も枝に表れるもので、口から言われて表されるものだからでしょう。考えもしないで使っている「言葉」の意味がこの歳でわかったような気がしました。

  • ブログ子
  • 2014年02月16日 22:40
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