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2014年07月10日

HPFhito82・脳と身体の動きの関連を語る北海道練功十八法協会代表師範藤岡龍峰氏

 円山公園で行われた「練功」の練習を近くで見たことがある。指導者は藤岡龍峰氏で、氏は道新文化センター講座「練功十八法」でも教えている。同センターで講座のある日に予約無しで訪ねて、パノラマ写真撮影とインタビューを行う。
 「練功」とは中国武術の流れを汲む健康体操と表現してよいだろう。良く知られた少林寺拳法等は長い歴史があるけれど、練功は比較的新しく、文化大革命が終息した後の1975年に始まっている。発祥の地中国では、「中国ラジオ体操」、「太極拳」と共に中国三大国民体操とされている。藤岡氏は上海に本部がある上海市練功十八法協会の理事で国際指導員でもある。道新文化センターのスタジオでの講座終了後、スタジオで藤岡氏のパノラマ写真を撮影してから色々聞いてみる。
 藤岡氏は岩手県洋野町で1956年に生まれている。生家は曹洞宗の寺で、氏は一等教師の資格を持つ僧である。しかし、僧を職業にはしておらず練功を教えることで生計を立てている。そこら辺の事情を聞くと、現状の仏教とは距離を置いて、生活者の健康な暮らしに役立つことの実践を、宗教活動に優先させていためであるとの答えである。練功を教える毎日で、生徒数は400名台にのぼるだろうとのことである。
 練功の神髄は何かと聞いてみる。健康のため自分の身体を知る事だとの答えである。運動を介しての医療行為でもあるようだ。身体がどんなメカニズムの下にあるのかをちょっとした身体動作で確かめさせてくれる。指相撲で藤岡氏の親指を抑えつける。一生懸命抑えているつもりなのに親指を抜かれてしまう。筆者が逆の立場で同じように親指を抜こうとしても駄目である。今度は両手で相手を引っ張る。藤岡氏は筆者を自分の方に引っ張ることができるのに対して、筆者はそれができない。力の差ということでなく、何かコツのようなものがある。藤岡氏の解説では、人間力を入れる時と力を抜く時があり、その力の抜く時を狙って相手に自分の力を伝える。
力を入れたり抜いたりするのは脳の働きで、この働きが筋肉に伝わるにはタイムラグがあり、訓練によりそのタイムラグを利用できるようになるのだそうである。このような話になると理解が及ばない。しかし、実際に力で相手に負けてしまう。ここら辺が武術の神髄に通じるものがあるらしく、指一本で相手を倒したりできる例があるらしい。
 氏は1987年に練功を初めて、57歳になる現在も毎日訓練している。それでも新しい事に気付く日々であるそうだ。人間65歳ぐらいまでは成長するそうで、氏の練功も現在成長の過程にあるようだ。


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(道新文化センタースタジオで 2014・7・10) 

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