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2006年12月12日

JR塩谷駅とSL

 JR函館本線の小樽駅の上りの次の駅は塩谷駅である。地図で見ても、塩谷の街から少し山側に位置するこの駅は相当小さいと見当がつくので、秘境候補であろうと日曜日の午前中に見にゆくことにする。塩谷の近くで国道5号線から小樽環状線に入り、塩谷駅に着く。辺りは紅葉も終わりかけていて、葉の落ちた木々が山間にある駅舎の目の前にある。

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 塩谷駅は無人駅で駅舎内には何も無い。列車を待つ客なんかいないだろうと思っていると、意外なことにプラットフォームに人が四、五人ほど立っている。こんな小さな駅でも利用者がいるのだと、感心した。しかし、客の様子が列車待ちの乗客の雰囲気でもない。皆カメラを手にして立ちん坊である。著者と同じく、秘境探検のノリでこの無人駅を撮影に来ていて、列車待ちなのか、それなら当方も無人駅を通過する列車の写真でも撮っておこうと待つことにする。

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 待つ間に屋根付跨線橋を渡って、反対側のプラットフォームから駅舎や跨線橋の写真を撮る。跨線橋の背景に写っている小樽環状線の道路を利用して小樽でも札幌でも行く方が便利だろうから、一日何人ぐらいこのJR駅を利用するのだろうか、などと考えながら時間をつぶす待ちん坊である。

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 時間が過ぎて、待っていた列車が駅の構内を通過して行ったけれど、それはなんとSLであった。予想もしていなかったのでこれには驚いた。停車しないで走り去るSLの写真を二、三枚慌てて撮った後で、近くに居た人に聞いてみた。答えによると、土、日に観光用にJR北海道がSLを走らせていて、それを写真に収めようとマニアがSLの追っかけをするのだそうだ。グッドタイミングとはこのことである。

 札幌と蘭越町間を走らせているこのSLは、札幌から小樽までは速度の関係でジーゼル機関車の助けを借り、小樽から蘭越町までは自力で走る。帰りはSLを回転させる方向転換器がないため、SLはバック走行となり、ジーゼル機関車で押して(引っ張って)札幌まで戻るとのことである。

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 札幌に本社があったゲームソフトの大手のハドソン社はSLのハドソン号から社名を取っていた。初代の社長はSLマニアでもあって、会社の羽振りのよいときの社長室には何分の一かのSLの大きな模型が飾ってあった。この社長の出身地がニセコ町であったこともあり、この会社がスポンサーになってSLを復活させ札幌、ニセコ間を走らせた事があったのを、塩谷駅を後にしながら思い出していた。

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