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2007年02月04日

冬の手宮線跡

 都会に取り残された鉄道線路跡は秘境のテーマに相性がよい。小樽には国内で三番目、北海道では初の鉄道の手宮線の跡がある。この手宮線は1880年に手宮と札幌間に開通している。小樽の港と北海道の内陸部をつなぐ開拓事業の大動脈であった。

 小樽の中心部をつらぬく旧手宮線の一部は散策路(遊歩道)として整備され、2001年に開放されている。雪の無い季節には残された線路伝いに散歩できるこの遊歩道が、雪の季節にはどうなっているのか訪れてみた。

 遊歩道の一方の端の階段を上って廃線跡に至る階段は雪に埋まっていて通行止めとなっている。この場所で想像するに、かつて道路を跨いで走っていた線路が、この高さでは下の道路を通行する大型の車は頭がつかえて、この鉄路の下は通れなかったのではなかろうか。もし、雪が積もって、道路がその分高さを増せばなおさらでは無かったとも思えるが、昔のことだから大型の車の心配は無用なのかも知れない。

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 雪で埋もれた遊歩道には別の場所から入り込んで歩いてみた。子供の遊び場も併設されているようで、この線路を走って現在は小樽鉄道記念館に静態保存されている「しづか号」をイメージして作った遊具が雪に埋まっていた。

 遊歩道を歩いていくと、雪のトンネルの製作の作業が行われていた。冬訪れる観光客用に作っているのだろう。トンネルの中では線路が少し顔を出していた。トンネルの屋根部分は発泡スチロールのように見受けられた。

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 トンネルを抜けてさらに進むと、「手宮線跡地」のプレートがあって、プレートには1880年から1985年と記されていて、この線路は百年以上も利用されたことになる。この季節線路の跡も定かでなく人通りもないこの散策路は、観光都市小樽の真ん中にあって少しばかりの秘境感を感じ取ることができる。 

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