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2007年03月03日

台北市101ビル

 台北市信義区に二〇〇五年三月一日にオープンした101ビルがあり、丁度二年経った二月末日に見学に訪れた。高さ508メートルのこのビルは世界一の高さの記録を保持していて、近寄ってみると蕗の薹が空に伸びていくようなイメージの外観構造で、確かに高いビルである。

 そもそもこのビルの名称に「101」が付与されているのは、ビル内の説明文によると、デジタル文明を象徴する二進数の0、1のビットを並べたことが理由の一つになっている。高さ508メートルは十進数で表されているけれど、この数字を二進数に直すと512(2の8乗)-4(2の2乗)=508を二進数表現で、10000000-10=11111110となる。でも二進数で表されていては高さの感じはでないだろうから、説明は十進数となっている。

 10進数の101は100に1を加えたもので、100点満点、あるいは100%をさらに超える、という意味も込められているそうである。全階数が101になっているのは、この101に数字に合わせているのだろう。この101の謂れは台湾の現地の人にはあまり知られていないようで、むしろ著者のような観光客の方が知識を仕入れて知っているようである。

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 展望室は八十九階にあり、千メートル/分の世界最速のエレベータに乗って三十数秒で着く。エレベータに乗っている間、加速度はほとんど感じられず、気圧の変化も感じなかった。因みにこのエレベータは東芝製であった。このようなところに日本の技術をみると観光客なのだけれど誇らしい。

 展望台は八十九階にあり、回廊となっていて、台北市内が俯瞰できる。展望台のガラス窓のところに逆禁止マークをみつけて写真をとる。うまい具合にここに逆禁止マークがあったものだと、何か大きな発見をしたような気になる。382メートルの展望室から一望する台北市のパノラマは見ごたえのあるもので、ここが台湾の観光名所になっているのが実感できる。

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 九十一階に屋外展望台もあり、追加料金を支払って出てみたけれど、風が強かった。建造物がこのくらい高くなると風圧もすごくなり、台湾には台風も襲来するので、風圧対策も必要になる。そのためこのビルの展望室の階には一方向からの風圧を吸収するために総重量660トンの鋼鉄製の風ダンパーが備え付けられていて、それをみることができる。ビルの外の景色も見ごたえがあったけれど、ビルの中の景観も興味の湧くものであった。

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