2007年04月23日
マクンベツ湿原の水芭蕉
四月中旬の終わりの日曜日に石狩川の河口近くにあるマクンベツ湿原の水芭蕉の群生を見に行く。国道231号線を北上し、石狩河口橋を渡る手前で右折してマクンベツ湿原の駐車場で車を止める。
マクンベツはアイヌ語で「山際を流れる川」の意味だそうで、パークゴルフ発祥の町幕別町の町名はこれに由来している。ただ、石狩川河口付近には山は無いのにこの名前である点が疑問である。石狩川を直線状にしたために取り残された川は上流を茨戸川、下流をマクンベツ(真勲別)川と呼んでいる。湿地はこのマクンベツ川と石狩川に挟まれて石狩川の川岸に広がっている。
駐車場から土手を下って石狩川の方向に歩いて行くと水芭蕉群生地の看板があった。看板にはこの花の英語名として“skunk cabbage”(スカンク・キャベツ)とあって臭いが強いらしい。日本でも“へびのまくら”などと呼ばれていて、名前には見た目の優雅さはない。
看板には石狩川の川岸まで四百mとの表示があって、この長さの幅1mの木道(本当の木製ではない)が川岸まで延びている。見通すと長い木道である。これは最近作られた管理用通路らしく、訪れた人に開放されていて、木道の上はそれなりに混み合っていた。大抵の来訪者はカメラを抱えていて、思い思いのところで水芭蕉の写真を撮っていた。
木道を歩くと、水溜りがそこここにある湿地を背の高い枯れ草が覆い、まだ緑が戻って来ない木々が林を作って広がっている。この殺風景な中にあって、緑の葉、黄色の花を包む白い仏炎苞の水芭蕉が春の到来を告げている。それにしても、雪解けが終わるのを待つ時があらばこそ、他の花に先駆けて早々と一斉に花開く水芭蕉の気の早さには驚く。
木道の先は石狩川で断たれていて、雪解け水の影響もあって水量が増えているように思える川が流れている。川下には石狩河口橋が見え、自動車が列をなして行き来しているのが遠目にも分かる。もう少しすれば、この当り一帯は緑につつまれ、水辺の昆虫が動き出し、それを狙って鳥が集まり、夏に向かって雪崩れ込んでいくのだろう。その頃は水芭蕉群生もこの湿地から消えているだろう。毎年の湿地の主役の交代劇である。
追記:22日に行われた小樽市長選では現職の山田氏が3万票、元衆議院議員佐藤氏が2万5千票、前小樽市議森井氏が2万3千票とインターネットの速報にありました。最初は一人で小樽市長選に挑んだ森井氏の善戦です。
- by 秘境探検隊長
- at 04:57