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2007年05月08日

蛇行するパノラマ写真

 パノラマ写真を三脚を使わず、手持ちで視野を切り取った(トリミングした)後で、これらの写真を合成すると、写真の撮り手の感じ方とか心理がパノラマ写真に表れるのが面白いです。これは、このジャンルの写真撮影法の研究のテーマになりそうです。
 北海道神宮の広場の中央に立って、周りを取り囲む建屋のパノラマ写真に合成した今回の写真を見てください(パノラマ写真を拡大してご覧になるには こちら まで)。パノラマ写真が水平方向に伸びたものにならず、上下に蛇行したものになっています。これはカメラを斜めにして写真を撮っている訳ではなく、各写真は水平にしたカメラで撮っています。
 ただ、手前に広場があり、その向こうに建屋があるような視界では、カメラを動かす度に手前の広場に対して、どのくらいのところに建屋を配置するかを、その時々の感じ方や心理状態で微妙に変化させています。すると、この視界の切り取りに上下のぶれができて、合成時にそれがパノラマ写真の上下の蛇行になって表れます。
 これは三脚にカメラを固定して、水平方向に回転を与えながら写真をとると防げる問題です。しかし、蛇行するパノラマ写真には、人間の感覚や心理が写真に投影されていて、これは水平方向に真っ直ぐ伸びるパノラマ写真よりは面白いと感じました。パノラマ写真は技術の成果でしょうが、蛇行するパノラマ写真には人為的なものが加わって、芸術的なものにする糸口があると思っています。

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