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2007年05月21日

柾里神社

 札幌から国道5号線で朝里に入ると最初の信号で「柾里(まさり)」というのが目につく。朝里のこの辺りは柾里と呼ばれているらしい。これは柾里神社を探して回ったので気がついたことである。

 インターネットで柾里神社について調べると、約350年の歴史のある松前神楽(国の記録選択無形民族文化財)が小樽で最初に伝承された神社と説明されている。場所はといえば小高い丘にあり、神社の境内からは朝里の浜が一望できる、とだけしか記述されていない。そこで朝里に出向いて場所を聞いてみるのだが、出会った警察官さえも知らないという答えである。

 日にちをおいて情報を得て、どうにか辿りついたこの神社は、確かに地元の人でも知る人は少なかろうと思われるところにあった。場所は三太郎地蔵が祭られている小さな柾里地蔵堂のある墓地の近くで、地番は朝里四ノ六の小高いところの崖の縁にある。境内というには雑草で覆われているほんの少しの平地だけである。

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 この神社は1867年(慶応三年)に建立された稲荷神社である。小さな社の傍には高さ1mほどの石碑が置かれていて、碑面に八大竜王神と川裾大明神の文字が掘り込まれているのを読むことができる。この石碑に刻まれた神様達は、もともと朝里海岸の神威古譚の漁師らが祭っていて、石碑は神威古譚の地にあった。 しかし、ニシン漁が廃れるにつれて集落が消滅したため、1990年にこの地に移された経緯がある。

 これらの石碑は最初この地に移されて時、山側の地面に置かれてままであったのを、海の神様であるので海を向いていたほうがよい、ということで神社の横に海を向いて置かれ、そのことで「遷座祭」も行われたとのことである。

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 確かに石碑と神社の面する崖の下には朝里の海が広がっている。訪れた日は風も少しあり、海岸の護岸のための消波ブロックに打ち寄せる波の白い飛沫が遠くでも見える。朝里の海岸線に沿ってJRの線路が走っていて、朝里駅が崖の下の方にある。

 この朝里駅は無人駅で、冬に駅の構内でSLが通過するのを待って写真を撮ったことが思い出される。半年も経つとこの辺りの景色は一変し、秘境探検をしているうちに季節は冬から夏に向かっていた。

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 神社の境内からパノラマ写真を撮ったけれど、神社と海の明るさが異なり、パノラマ写真では神社が向いている海岸の方向は露出が適当ではなく、白っぽく写っている。パノラマ写真を拡大してご覧になるには こちら まで。

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