2007年11月26日
旧江別郵便局内の喫茶店
江別には煉瓦造りや石造りの倉庫などがあると耳にしていたので、JR江別駅の東側の千歳川の方向に線路沿いに車を走らせてみる。駅の周辺だというのに、辺りは寂れた感じである。この道は直ぐに千歳川の土手にぶつかり、煉瓦や石造りの倉庫らしいものがない。初回の探検時は見るものもないと早々に引き上げた。
でも気になるので、インターネットで旧江別郵便局の写真をコピーしてから再び行ってみる。すると写真と同じ建物が目に入る。しかし、只の倉庫のようにも見えて帰ろうとすると人がやって来て建物の中に吸い込まれていく。よく見るとこの煉瓦造りの建物の横には入口があって、「ども」の文字が見える。後で分かったことであるけれど、ここは「アートシアターどもIV」の喫茶店の入口で、先ほどの女性はこの喫茶店のお手伝いの人だった。これから開店という時刻にこちらはここから立ち去ろうとしていたのである。
そのうち駐車した車の傍に薪を運んでくる男性も現れ、これも又後で知ることになるのだが、喫茶店のオーナーの安念智康氏であった。「ども」は氏のあだ名から採られている。「ドラマシアターども」は劇団名であり、この劇団は1981年に旗揚げして現在に続いている。喫茶店の方は劇団員が集まるスペースでもあり、ここには2006年に移転して来ている。劇団は近くの外輪船と名づけられた石作りの旧岡崎倉庫の建物で公演活動を行っている。
喫茶店があるこの建物は、元々は私設の郵便局で、その後小児科の病院として利用され、現在は二階部分が喫茶店とギャラリー、三階部分が安念夫妻の住居と劇団の練習場となっている。訪れた時は筆者らの他には客が居らず、お手伝いのウエイトレスにあれこれ質問するものだから、安念氏の奥さんの優子さんに取り次がれ、現れた優子さんから色々話を聞いた。
店先に置かれている女人像にまつわる話などもあって、誰の作かも分からないこの像が地中から出てきて、重い像を引越しの度に連れてきていることや、一度胴体部分が割れて二つになってしまったものをつなぎ合わせて現在に至っている、などの話を聞くと、この像を見る目も変ってくる。
さらに、喫茶店から場所を移して一階の安念氏の脚本書きをする仕事場での話を伺って、この喫茶店と劇団の関係、その他のことの輪郭が理解できるようになる。近々韓国からの劇団を受け入れことになっていて、この公演の準備を行わねばならない話から、その公演の切符を手にすることになる。公演を見にまたここに来ることになるのだろうか、とこの時は喫茶店を後にしながら考えていたけれど、実際に韓国からの劇団「DOMO」の公演を見ることになった。
- by 秘境探検隊長
- at 06:31
comments
旧江別郵便局の建物の正面(らしくはないですが)のコンクリート柱の間隔が不ぞろいで見た目に違和感があります。この建物の原型の写真を見ると、窓は5列になっていて、中央に玄関がありました。玄関の左右に窓が2列ずつ並んだ構造です。それが玄関が取り払われ、窓が4列になって、柱の間隔が不ぞろいになってしまったようです。最初の格調ある建物が、みっともない形で残されたらしく、建物の価値は半減してしまったようです(隊長の感じ方ですが)。