2008年03月05日
旧肥田陶管工場
JR函館本線に沿って、野幌駅から江別駅方向に少し行くと江別の窯業の歴史的工場跡が現れる。レンガ造りの建物で、これまたレンガ積みの煙突も残っている。建物は1941年に創業した肥田陶管(当時)の工場で、1951年から1953年にかけて造られている。会社の「ヒダ」(旧肥田陶管)が1998年に自主廃業して使われなくなった工場を、江別の窯業を代表する歴史的産業遺跡ということで、江別市が土地と建物を買い取っている。
この工場跡を有効利用しようということで、2004年に江別市と姉妹都市関係にある米国オレゴン州グレシャム市のアンテナショップを工場跡に設けてる。喫茶店にもなっている店内には、札幌学院大学電子ビジネスセンターが開発した自動翻訳ソフトでグレシャム市のホームページが日本語で閲覧できるPCが並んでいた。しかし、PCの前に座っている人は居なかった。グレシャム市のHPを見るだけなら、自宅で自分のPCを使って、英語もインターネットの翻訳システムを利用すればよく、喫茶を目的で入店してこのシステムを動かしてみる人はほとんどいないのではないか、という印象だった。
アンテナショップ以外の工場内には一般の人は入れないところ、喫茶店の係りの人に江別の取材と言ってみたら、特別内部の工場跡を見せてくれた。レンガを焼いた炉や土の整形に用いられて思われるプレス機が手入れもされずに放置されていた。陶管の工場だった名残で、陶管の継ぎ手の部分の製品が出荷されずに残ったものが薄暗い部屋に並んでいた。現在はこの手のものは塩ビの製品に取って代わられているのだろう。
江別市は高知県土佐市と友好都市の関係にある。姉妹都市と友好都市の違いがはっきりしないのだが、中国との姉妹都市関係ではどちらが姉で妹はどちらか、といった杓子定規的関係が問題になることを懸念して、全部友好都市としている話を以前に聞いた。友好都市の高知の物産もこのアンテナショップで展示即売されていて、訪れた時には「土佐文旦」の旗が店の前に並んでいた。「土佐文旦」が果物の名前であることをこの時初めて知った。形はグレープフルーツに似ている土佐名物を、取材の謝礼の意味を込めて一つ購入した。
- by 秘境探検隊長
- at 19:13
comments
コーヒーが美味しそうな感じがしたので、
気になっていた「アンテナショップ」┌|∵|┘
「江別の取材」と云うと、秘境にお目にかかれるのですね・・・
雑誌記者のような雰囲気を出す必要もあります。