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2008年09月20日

お寺の大道具

 お寺には時々大きな仏具を見かける。南区簾舞にある百年の歴史(一九〇八年開基)を持つ浄土宗の大松寺はクマ寺の異名を持つ。それはこの寺には羆(ひぐま)菩薩像あるいは羆(ひ)観音と呼ばれる、漆絵で伝えられる羆に関する逸話があるためである。逸話は割愛するとして、菩薩と一緒に羆が描かれている菩薩像は珍しい。

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 この寺には巨大数珠がある。念珠とも言われる数珠は、普通は手に持つものである。これを大きくして多数の人が回しながら功徳を積むものがある。大松寺にあった数珠は広げると広い本堂の半分程度にはなるもので、信徒が座ってこの数珠を回しながら仏事を行うようである。

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 このような巨大数珠を使って法要を行う状況に立ち会ったことがある。北広島市の曹洞宗のお寺の達磨寺にも巨大数珠がある。写真はこのお寺の本堂で、子供達も集めて数珠を回す準備をしている様子で、中央に住職が座りお経を読むと数珠回しが始まる。この数珠回しに加わった経験があるけれど、なかなか力がいる。

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 中央区の盤渓峠にある大乗院の大きな数珠は法事に使うのではなく飾り物である。傍に置かれていた動物は羆ではなく象である。インドに起源を持つ仏教に象が出てくるのは特に違和感はない。日本に渡った仏教が日本の動物で教えの解説が行われる例、例えば自力本願は母猿にしがみつく子猿、浄土宗や浄土真宗のような他力本願は親猫に首を咥えられた子猫といったように猿や猫が登場する。しかし、前述の大松寺の羆は北海道的である。

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 大乗院には巨大な鏧がある。鏧とは普通は手に持って叩いて鳴らすものであるけれど、ここの大鏧は直径二・四m、高さ二・一m、重さ三tもある世界一のものである。取材している人物と比べてもこの鏧の大きさがわかろうというものである。この大鏧は突き棒があり、釣鐘を突く要領で突いて鳴らす。大鏧だけあって、一度突くと音(鏧の振動)が収まるまで一分三十秒ほどかかる。

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 仏具というのではないけれど、国道453号線沿いの南区石山東六丁目で、車窓から大きな大仏が目についた。寄ってみるとこれは浄土真宗の舎利山佛願寺の納骨堂の上に安置されている涅槃(ねはん)仏である。元々渡島管内の旧恵山町の観光施設「恵山モンテローザ」にあったものが、同施設が撤退するときにお寺に買い取られた。長さ四十五m、高さ十一mという大きさの大仏を、約二百個の部分に分けてトレーラで運んでいる。最近墓苑などでこの手の巨大な大仏やモニュメントを見かけるけれど、宗教施設と観光施設が紙一重のところにある感じである。

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