厳寒期に、庭木に飛来する少し大きめの鳥がいる。ヒヨドリである。羽を休めるためか、啄ばむ実も無い木の枝にしばし止まっている。木の実や木の芽があれば、それを啄ばむための長く鋭い嘴が顔の先に突き出ている。顔をこちらに向けると、頭と顎の毛が逆立っている。寒いので保温のためだろう。翁の顔のように見える。カメラを変えて撮影しようとしている間に、その姿は消えている。野鳥を撮るには、束の間の猶予しか残されておらず、撮れると幸運としかいいようがない。
庭木には 啄ばむ実なく 厳寒期
ヒヨドリは 毛を逆立てて 翁顔
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