2010年12月04日
札幌農学校第4農場開墾記念碑のある花岡神社
創祀は1882(明治15)年で、八幡神社として建立された。当時、この地で通行屋を経営していた黒岩清五郎が郷里の福岡県からの分霊を祀ったのが神社の始まりだろうといわれている。祭神は大己貴神(おおなむちのかみ)、応神天皇、大山祇神(おおやまつみのかみ)である。現在の社殿は、1968(昭和43)年に改築されたものである。
狛犬の目は一般的には円(球)であるのに対して、ここの狛犬の目の経常は楕円形である。吽形の方は鼻がつぶれていて、貌の感じが平面的で、動物の貌というより人間の顔に似て見えてくる。吽形では閉じた口から牙が出ているのに対して、阿形では牙と歯の区別が見られない。尖った牙の先が折れてしまったのかもしれない。
緑失せ 赤さが目立ち 花岡社
犬よりは 人面に見え 平ら貌
境内には各種の石碑があり、その一つに「嘉禾是豊 成墾紀念碑」の文字が見える。ここで嘉禾(かか)は縁起の良い植物で、それが豊かに実るまで開墾が進んだ、といった意味だろう。境内の近くを簾舞川が流れていて、川の西側は札幌農学校の第4農場となっていて、その開墾記念碑であり、1909(明治42)年に建立されている。「山の神」と刻字された石も置かれていて、こちらは空沢の山中で見つかったものが、境内の運び込まれたものである。
- by 秘境探検隊長
- at 02:28
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狛犬秘境探検記は、探し当てた秘境に鎮座する阿吽の狛犬の、そのどれもが持つ恰も指紋の如くに異なる個性的な容貌を、たっ17文字の爪句で直感的に表現し、読み手を感嘆させる必殺の技は、日本発情報処理手法の真髄と思います。
まず前半でその奉納された神社が建立された故事来歴を詳細ながらも簡潔に纏め、後半説明では名工の手に為る狛犬の絶妙な風貌描写でフアンを唸らせます。
今回の花岡神社の場合は、趣を変えて、狛犬でなく、境内の石碑が開墾の辛苦が報われた感謝の奉納である事は判りましたが「嘉禾豊穣」が稲・粟・豆・麦・黍など五穀豊穣をあらわす意味と判るまではこれだけでも結構てこ摺りました。
狛犬に限らず秘境探検記の手法は古今東西広しと謂えども類例が無く、言葉を変えるならば、IT全盛時代なればこそ現れた秘境探検家ならではの日本の誇る情報伝達手の独特のスタイルと思います。
狛犬秘境フアンの共通した見方でなかろうかとの確信です。
伊東さん 「「嘉禾豊穣」が稲・粟・豆・麦・黍など五穀豊穣をあらわす意味」まで調べていただきありがとうございます。実のところ私はそこまで調べていませんでした。これは参考になります。
現場(境内など)では写真を撮るのに気をとられ(対象が暗いので、光の具合で見やすい写真が撮れません)、また運転手同道のことも多くて、じっくりとそこに留まって、絵を描くように観察することはありません。
後で、例えば碑の文字などをPCの画面で読んで、調べます。それも自分の知識からはみでると、パスのところがあって、今回のように教えていただけると有難いです。
ブログは読み手とコメントが継続の養分であることは否定できません。ブログを書いていてそれは実感できます。でも、ブログは大量生産、大量消費の現代文明の申し子で、そこに丁寧に書き丁寧に読んでもらうのを期待するのも無理ではあるので、伊東さんは得難いこのブログの読み手です。