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2010年12月11日

消えた銀行の構内神社が残る円山西町神社

 円山動物園の縁を藻岩山麓通が通っている。この通りが南から北へ流れる円山川を横切る辺りで、この通から別の道路が分岐し、円山川に沿って延びている。この分岐した坂の道路を南方向に登って行くと、道路に面して鳥居があり、社殿の見えない境内がある。
 境内に神社の由緒書きがあり、読んでみると、神社は1895(明治28)年この地に入植した人が滝の沢部落に大山祇神(おおやまつみのかみ)を祀ったのが始まりである。この神様は山を司る神様である。1923(大正12)年には現在地に神社を移設しており、滝ノ沢神社となっている。1951(昭和26)年に、札幌神社から旧拓殖銀行本店の屋上にあったといわれる同行の守護神社の社殿を譲り受け社殿とした。この社殿が塩ビ板とステンレス屋根の小屋の内に収まっている。社殿と一緒に札幌神社の祭神も合わせて祀るようになり、祭神は前述の大山祇神に加えて、大国魂神、大穴牟遅神、少彦名神である。1973(昭和48)年、町名変更により現在の神社名になっている。社名が書かれていたと思われる境内の木柱の文字は消えている。
 境内には祭神の大山祇神碑、馬頭大神、神社建立に貢献した上田氏の顕彰碑があるくらいで、狛犬は見当たらない。円山西町を囲むようにしてある原始林が境内に迫っていて、紅葉の季節の境内は、樹上も地面も紅黄葉で覆われる景観を呈している。

社名柱 文字の薄れて 紅葉映え

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