2010年12月18日
湯の里を見下ろす小金湯天満宮
国道230号で小金湯地区に入ると、小金湯から小金湯温泉へ下って行く道の分岐点がある。ここから少し国道に沿って西に行ったところに、国道の北側の空き地に神社が見えてくる。近くに小金湯会館がある。
1890(明治23)年、この地に熊本県から開拓者が入植し、1924(大正13)年に郷里の太宰府天満宮の分霊を祀ったのが神社の創祀になっている。訪れた時は雪のちらついた日で、雪景色の中に鳥居と社が黒ずんだ姿を晒していた。社の裏側は小高い丘になっていて、碑が一つ置かれている。碑に彫られている字を判読しようと思うのだが、書道に疎く、崩した文字の「南」しか読めない。
小金湯の 金色もなく 天満宮
見下ろせば 湯の里ありて 雪降り日
この丘の下の方に小金湯の温泉施設の建屋が見える。実のところ、この施設でこの天満宮の所在を尋ねたのだが、従業員が集まっても誰もこの神社の場所を知らなかった。わずかばかりの民家がある場所では、神社の存在は大きいのではなかろうかと思われるのだが、忘れ去られているようである。温泉施設の前には黄金龍神社という、観光用に造られたような神社があり、こちらの方を紹介されるばかりである。湯の里には、愛称ピリカコタンノ札幌市アイヌ文化センターもあり、小金湯天満宮の碑のある丘から俯瞰できる。
境内には3面の明王の像があり、頭部に馬の頭があり、馬車の車と思われるものを手にしているので、馬魂碑の意味を込めて建立されたのだろう。訪れる人も居ない境内にぽつんと置かれてある。
明王に 馬の貌あり 馬魂の碑
- by 秘境探検隊長
- at 04:16
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