2011年06月09日
方言が花名になったズダヤクシュ(喘息薬種)
林の中の遊歩道で、水気のあるところに、伸ばした花茎に小さな白い花が多数付いているのが目に入った。ユキノシタ科ズダヤクシュ(喘息薬種)である。ズダとは信州で喘息のことを言っていて、この病気に効く薬種という意味が花の名前になっている。花は小さく2 mm前後で、白く見えるのはガクである。花の方は、蘂のように針金のように伸びた白い部分である。雄しべの方は先端に黄色い部分を見せ、かたまってある。小さいのでマクロ撮影に手間取り、虫も寄ってきて撮影に難儀する。
白きガク 花びら擬して ズダヤクシュ
花びらは 白き針金 ガクの外
- by 秘境探検隊長
- at 00:24
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喘息については小著「ひまわりからの贈り物」で述べております通り、ひまわりだけが薬草として古代から世界的に広く利用されていたと思っておりましたので、日本でも古くから喘息名まで付けられている固有の風邪系薬草があったとは知りませんでした。
人は外部環境で発生している膨大な数量の様々な有害物質が食品や呼吸を通じて体内への侵入するのを防御するために皮膚や免疫など様々な多重防護機能を備えているものの,実際には肉眼で見えない有害物質の体内侵入を防ぐ術は無く、肺疾患や肺ガン死亡率は急速に拡大しており,一口に喘息とは云っても様々なパターンがあり、多くの難治性呼吸器系疾患の前触れと思っております。
花(植物)の名前は生薬として使われることから、病気や対処薬を基に命名されたものがあります。ズダヤクシュもそうですし、ジンヨウイチヤクソウ(腎葉一薬草)なんかもあります。昔の人の知恵が花名になったというところでしょうか。