2012年03月13日
「爪句考ーその3」から
薄暗い窓の外は雪がちらついていて、これでは日の出の写真も無理だろうと、写真無しのブログを書いてみる。
本ブログは爪句集の原稿を揃えるために書いている部分があって、同じような体裁やテーマがあれば、これは後々爪句集(豆本)にする予定のものである。
パノラマ写真から切り出した2次元写真が並んでいるものは、現在原稿整理が完了して「爪句@パノラマ写真の世界ー札幌冬」(series 16)が数ヶ月後には出版予定である。その冒頭にある「爪句考ーその3」の、これも最初の部分を載せておく。全文をお読みになりたいという方が居られれば、出版された爪句集をご覧ください。
「 本爪句集出版に際しての焦点は、パノラマ写真に合わせたものになっている。これまで爪句を付ける写真は通常の2次元のものであった。しかし、本爪句集に用いている大元の写真は、撮影者から見た全空間を写したパノラマ写真で、その一部を切り取ったものを爪句用写真としている。
パソコンを利用した写真処理技術の進歩により、部分的に撮影した写真をつなげて、全空間の写真を再構成したものが比較的容易に得られるようになってきている。さらに、パノラマ写真をパソコンで表示して、ズーム操作や視線の方向回転等が行える。この写真技法は、新しい利用法や趣味の領域を広げつつある。
一方、写真による表現の視点からは、パノラマ写真は条件が同じなら誰が撮影しても同一のものが撮れることになる。反面、個性的な要素が入り込む余地がない。撮影者が切り取りたい部分を写真にするといった、感性による情景の取捨選択が行えない。
しかし、一度パノラマ写真を合成して、これから再び2次元の写真を切り出すことを考えると、撮影者の感性が生かされるのではなかろうか。パノラマ写真からどのような2次元写真を新しく作り出すか、それは新しいアート写真の可能性を示唆している。
」
こうやって、写真無しの文章だけのブログは書き手からは処理が簡単でよい。しかし、ブラウジングするためブログに立ち寄る人は全文を読むのは少数派だろう。
現在、爪句集の第17集の札幌の街の中で世界を見て歩くテーマの爪句集の原稿整理に入っている。これは共著である。共著にする目的は、共著者にも爪句集を購入してもらおうという意図もある。出版の最終帰結は、出版した本が売れるということである。
この爪句集シリーズは50巻を目標にしている。そろそろ20巻目が見えてきている。内容はどうあれ、新しいジャンルの表現方法が豆本の形で続いていれば、その内この豆本のコレクターが出てきて、もう本屋や出版元にはないものには高値がついてネットオークションが行われるのではないかと希望的予想である。20巻目になりそうなら買いです。とまあ大道香具師(やし)の口上で、ブログでのセールスである。
- by 秘境探検隊長
- at 05:11
comments
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パノラマ動画そのものの持つ本質は当然として、カメラの精度向上が魅力を高めているにしても秘境への考え方とか題材選択や写真本来の生命である切り取り方一つでコンテンツに決定的で大きな差異が付くと思います。
更に急速な発展変貌を遂げつつある都市の街角を選定する場合は、札幌市の開拓以来の変遷や秘境性を前提にしたカメラ位置設定とか画面を遮る多くの人の流れを消去するにしても、単に目障りで消し去るのではなく、時代を象徴する婦人の全身画像は
高名なブロンズ作品にもひけを取らないように思いますし、街角パノラマに生気を感じます。
爪句豆本Seriesの20号が視野に入った今、爪句第一号が希少価値が話題に遡上するのはビジネス世界の鉄則ですが、更に
第一号を仔細に読み返しますと、都市秘境札幌の貴重な本質を見事にコンパクトに纏めていると思いました。
つまり、大道香具師ならずともネットオークションの図書部門で堂々の新記録更新を予想します。
生活の中に流行というものがあって、流行に片足を突っ込みたいという一般の人の気分があります。マスコミやビジネスはこの気分を利用しようとします。その反対に、流行とは無縁の、個人的な継続作業があります。豆本の自費出版をしていて、この二つの気分の境界あたりで、豆本がそこそこ売れることに考えをめぐらしています。流行の仕掛け、継続は力なりを目に見えるものにするには、等々と考えて爪句作りや豆本の出版を行っています。