Search


Archives

2014年03月31日

HPFhito63・札幌初のワイナリー「ばんけい峠のワイナリー」社長の田村修二氏

 北海道新聞(2014・3・27)に、東日本大地震の津波被災地岩手県野田村の山ブドウで醸造したワインの販売記事が載っている。醸造・販売を行うのは「ばんけい峠のワイナリー」で、社長の田村修二氏の写真入りの記事である。田村氏は顔見知りなので、販売日である3月下旬の日曜日に同ワイナリーに出向いて、田村氏のパノラマ写真取材となる。
 田村氏は札幌市内に住み、ワイナリーには車で通っている。氏の到着少し前にワイナリーの近くに車を止め、夫人と一緒に車でやって来た田村氏を見つける。ワイナリーの開店準備の間、まだ雪に埋もれているブドウ畑とワイナリーの建物のパノラマ写真を撮る。
 ブドウ畑の見えるテラスで田村氏のパノラマ写真を撮らせてもらう。このテラスは昨年(2013年)道新文化センターの受講生らと訪れ、ワインの試飲をさせてもらったところである。例年の雪ならテラスのビニル屋根の雪が落ちるのに、昨年の大雪では屋根の支柱が折れてしまったので、屋根のこう配をもっと急にして雪を落とす必要があると話されていた。
 田村氏は1940年東京生まれである。田園調布高校から東大に進学し、工学部応用化学科を卒業後、通商産業省(通産省、現経済産業省)に勤めた。通産省は、大学の専攻に関連して石油化学産業育成の仕事ができると考えたことによるそうで、国内に石油コンビナートを造るに際し、海外の先進技術導入するためアメリカに出張して技術移転の仕事をされる。
 札幌と縁がつながったのが1984年で、札幌通産局の商工部長として赴任された。札幌で2年間勤務後本省に戻り、その後環境省勤務となりここで定年を迎える。定年後は通産省時代に経済開発機構(OECD)のパリ本部で仕事をしていた経験も生かして、海外技術交流に関わるコンサルタントに携わり、その後北大の客員教授にも招聘され、札幌に生活の場を移している。
 札幌では持論の地場の資源を活用した企業育成の研究拠点として、盤渓峠に土地と研究棟を確保し、フィールドテクノロジー研究室を開設している。北大時代に江部乙のリンゴ農家からシードルが作れないか相談され、大学で実験までしたが醸造の許可が得られなかった。ところがこの研究室の横に買い求めた土地がたまたまブトウ畑で、このブトウを使ったワイン醸造を実現でき、これが現在のワイナリーに発展する。ある意味偶然で、札幌の第1号のワイナリーが誕生したことになる。
 ワインを商品にするワイナリーにはいくつかのバリアを越えなければならない。ワイナリーの許認可権は国税庁にあり、酒税を課す関係から最低6000リットル、720ミリリットルのビン詰め換算で8000本が最低生産量として要求される。田村氏は事業に先立って、この数量のワインが売れ残ったら、夫婦で1日何本飲んだらよいか試算してからワイナリーを始めた、と冗談半分で話されていた。
 ワイナリーは現在の場所に2001年にオープンし、今ではバスの停留所も峠のワイナリーの名前が付けられている。ワインの他に江部乙産のリンゴによるリンゴ酒(シードル)も商品化している。酵母菌を殺菌せずに生かしたままのワインは飲み頃を調節して楽しめる反面、長期保存には向かない難点もある。ワイン通が薀蓄を語ることのできるワインなのだが、ワインにはさほどの知識を持ち合わせていない筆者は、簡単な質問程度しか頭に浮かばない。
 写真撮影の合間に奥様手造りのハスカップの実を挟んだケーキが出され、これが美味しかった。このケーキはこれだけが売られているものではなく、テラスで客がコーヒーを注文した時に出されるものである。訪れた3月の下旬はワイナリー横のブドウ畑は未だ雪で埋まっていたけれど、もう少し経つとブドウ畑も新緑につつまれ、パノラマ写真を撮ったテラスから盤渓の自然景観が楽しめる。その眺めの中でのワインやコーヒーとこのケーキは、隠れ家の“峠の茶屋”の極上の一品である。


HPFhito63%E3%83%BB%E7%94%B0%E6%9D%91%E6%B0%8FA.jpg

(ばんけい峠のワイナリーのテラスでの田村氏、2014・3・30)

comments

コメントを入力してください
ワインとひまわりには深い関係がありますので記録を兼ねて記載させて戴きました。ご容赦下さい。
定年退職後の平成17年11月4日に札幌で開催されたバイオ関係のセミナー会場で在職中親しくお取引きさせて頂いていた北海道ワイン㈱代表取締役嶌村彰禧氏に偶然お逢いしました。
同社は小樽毛無山中腹の広大な敷地に壮大な花壇を造成真っ最中で、ひまわりを花壇の目玉に据える事業のお手伝いを要請されました。
早速同社の営農部社員によって栽培の傍ら私は同社の晩生内の研究所と浦臼の社有農地で一人でひまわり栽培を起耕から開花まで研究させて戴きました。
その間、日本一の生産を誇るブドウ栽培についても鶴沼の広大なぶどう園を観察させて戴きましたが、その後の経緯は後に譲るとして、ひまわりに含む有効成分抽出には酸度の強い梅酢とかハスカップやかんきつ類を利用しておりましたが、或文献から、8月の第3週目のブドウが最大の酸度を示すことを知りました、
昨年秋9月に近くの真駒内川河川敷で発見した山葡萄は、既に塾しかけており、その後の完熟分と2種類をマンションベランダに保存してありました。
今朝このプログを見て早速試験したところ完熟分は色合いといい味といい結構な果汁ですが、未熟分は酸度が低く、今年の夏8月には北海道ワイン㈱へ少し分けていただくことを計画しておりましたが、すでに研究資金は全く使い果たし、出かける余裕経費はゼロの有様で、盤渓ならば8月に出かけて少し分けて頂けそうな期待です。
深川市の山間部で平成15年初冬に開花していたひまわりから独特の試作品を偶然開発したのですが、その後何度試験しても再現できず最大の悩みの種でしたが、きょう、先程奇跡的に再現できました。
前置きが長くなりましたが、1月末に突如世界を沸かせたSTAP細胞の真偽について深刻な様相を深めておりますが、私は論文は兎も角理研の小保方晴子リーダーがマウスの骨髄から採取した細胞で成功したことは事実と思っております。
生殖関係細胞に塩酸液のストレスを与えて成功したのは、ひまわりの場合も当てはまります。
酸は細胞ストレス研究には必須条件で、植物の枝を切ってストレスを与えた例は当て嵌まらないと思います。
小保方さんの上司である再生科学総合研究センターグループの竹市雅俊センター長は細胞接着分子カドヘリンを世界で初めて発見しております。
なぜにネイチャーに発表する前に適切なアドバイスが為されなかったのが気の毒でも有り、世界に冠たる理研の実態理解に苦しむところです。

  • 伊東 裕
  • 2014年03月31日 23:06

 今日の夕刊に、明日(4月1日)理研がSTAP細胞疑惑に関する最終調査結果の発表を行う予定と報道されていました。エプリルフールの日に報告とは、何か皮肉めいています。しかし、発表内容はどんなものなのか気になります。

  • ブログ子
  • 2014年03月31日 23:22
comment form
comment form