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写真では、800メートル程度のこの有名なアポイ岳頂上に、ハイマツではなく、実際にダケカンバが茂っており、特有の高山植物と共生しているとの不思議な話題に納得しました。
盗掘防止が話題になったのは30年も前からですから、多分植生復活は不可能と思いますが、なんとか絶滅防止活動を維持して欲しいものです。
アポイ岳の高山植物を駆逐しているのは、気候の変化によるハイマツの繁茂も原因で、ハイマツを除きたいが、植生に人工の手を加えることになるので、そう簡単なことではないと新聞記事に書かれてありました。人為による環境保護は一筋縄ではいかないところがあるようです。
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60年前の在職中、1955年夏に国鉄社員4人のグループからお誘いを受け雨龍沼湿原へ出かけました。
深川町から雨竜町を通過、尾白利加川に沿って全行程20キロは、途中の宿泊地国領小学校まで自転車で、あとは徒歩でした。
当時の雨竜沼は手付かずの秘境で、コケが堆積した数百もの池塘周辺は主要な食虫植物・毛氈ゴケが密生しており、池塘と池塘の間隔50センチ程のコケの浮き草上は左右の水面に10センチ以上の高低差があるのですがふわふわで沈むことなく、遊歩道が無くとも歩くことが可能でした。
それから50年後の2005年に知人の車で再度出かけた時は、雨龍沼から落下する白龍の滝近くまで専用道路が整備され、登山とはほど遠い行楽地に変貌を遂げておりました。
幾つかの理由から、雨竜沼全体の乾燥化が進み、アポイ岳のハイマツに代わって周辺のクマ笹がじわりと押し寄せて、池塘の数も激減し、当時の原始の状態は様変わりしておりました。
遊歩道の延長とか、ハイカーのジンギスカンなべ(地元の滝川は松尾ジンギスカンの発祥地)などが環境変化を加速したのかもしれません。
池塘という言葉がありましたか。環境も一度消失すれば復元しないことがあります。雨竜沼湿原もそのような例の一つかも知れません。以前は北海道にある湿原を干拓して農地や牧草地にしようとした時代があって、それが湿原保全に転換して行ったのですから、様変わりです。