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2016年06月23日

道新文化センター講座10回目-北大観光学高等研究センター

 「身近な都市秘境を歩いてみよう」講座の13期目は6月22日(水)の10回目のコースで終了です。地下鉄南北線北12条駅に集合で、歩いて北大観光学高等センターに向かいます。途中、薬学部の薬草園を歩きながら見学です。
 北大大学院の国際広報メディア・観光学院の看板を以前から恵迪の森に隣接した建物の玄関先で見ていたので、てっきりこれが入口かとここから建物に入りました。エレベータで3Fに上っても指定されたスタジオ型講義室がありません。研究室のならぶ廊下を通り、階段を下りたり上ったりして、やっと目的の講義室に辿りつきました。帰る時分かったのは、メインストリートに面して同学院の出入口があり、ここから入ればよかった事でした。
 講義室では同センターの石黒侑介特任准教授に出迎えていただき、石黒先生から観光学や同センターの生い立ちについてお話をお聞きしました。
 大学も世の中の流行(語)に影響され、流行語を冠した大学院や研究組織が作られる例があります。「メディア」の言葉が流行れば「何とかメディア学部・大学院」が全国の大学に作られます。続いて「コミュニケーション」を取り込んだもの、「観光」がブームになれば「観光学」を冠した研究組織が全国の大学に出現します。最近は「環境」が世の中のキーワードになっていて、全国の大学にどれくらい「環境」の言葉を取り入れたところがあるのか、おそらくえらい数ではないかと思われます。
 石黒先生の説明では、北大の観光学に関する研究組織が出来たのは小泉純一郎総理の時に、政府が観光立国を目指し、国立大学でも観光を学術的に教育・研究する必要性を打ち出した結果ということです。
 観光を取り込んだ学部を持つ国立大学は和歌山大学や琉球大学、その他があります。観光学の大学院を設置する段階で、北大は琉球大と綱引きをして北大に軍配が挙がり、見学先の観光学高等研究センターが設立されています。石黒先生の経歴はメキシコ・イベロアメリカーナ大学国際関係学部、専修大学経済学部、横浜国立大学院国際社会学科研究科国際関係法専攻修了(修士・国際経済法学)で、㈶日本交通公社勤務の後、2014年に北大の同センター特任准教授になっています。
 石黒先生はサッカーの選手で、メキシコで選手生活にピリオドを打ち、その後世界各地でガイドの経験も積んでいるとの自己紹介です。現在の研究生活では、「観光」を学問の一分野にすべく研究を行うとともにJICAとも協力して世界各地での観光に関わるプロジェクトに従事しているとの事です。来週にはジンバブエに出張で忙しそうです。 
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(講話中の石黒侑介准教授)

 道新文化センターの講座の主旨も汲み取っていただき、石黒先生から資料の配布がありました。「TimeOut」という世界的グループの会社があり、この誌名の雑誌やガイドブックが出版されています。その札幌版を石黒先生らのグループで出版して一般に配布したところ好評で、もう外部には出していない札幌のガイドマップ『札幌でしかできない50のこと』が講座参加者に配られました。
 このガイドマップは札幌を訪れる観光客に定番の観光地を紹介するのではなく、札幌市民が良く行くレストランとか、良く買う食品や売店等々の日常市民の目線を追ってのガイドマップです。これがむしろ定番の観光ガイドブックよりは人気が出る場合があり、全世界の主要都市で発行されているとのことです。因みに「TimeOut」とはスポーツにおける作戦タイムのように、一息入れるとか頭を冷やすとか言った意味で、観光でヒートアップしているところで、一息ついて観光地の人々の生活を見てみよう、といったコンセプトのようです。


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(「TimeOut」の札幌ガイドマップと講話中の石黒先生・パノラマ写真)

 石黒先生のお話は分かり易く、隠れた市内の見どころ(都市秘境)を訪問しているグループには興味ある内容で、質問も出ていました。中にはハッピーマンデー制度の功罪についての質問もあり、毎日サンデーの引率者としてはピンと来ないところもありました。

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(聴講する講座参加者)

 観光学高等研究センターを辞してから、今回が第13期の最終回なので、構内の大野池横でメインストリートに面したファカルテイハウス「延齢草」内にあるレストラン「エルム」で昼食会です。「クラークカレー」の注文が多かったようです。
 参加者に特に良かった訪問先を三つ挙げてもらいましたが、どこかに偏る事がなく、それぞれ好みが違うと思いました。好評の講座で来年も継続してほしいとの声を聞くのですが、後期高齢者の仲間に入る引率者が来年も元気である保証はなく、さてどうなりますか・・・

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(レストラン「エルム」での昼食会)

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(レストラン「エルム」での昼食会)

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