2017年03月26日
爪句集覚え書き―32集
爪句集覚え書き―32集
この10年ほどブログ書きが日課になって来ている。ブログ記事は、将来の爪句集出版を目的にしているものであれば、鉄道であるとか、公園や植物といった同一テーマがブログの記事として日替わりで並ぶ期間がある。企画のテーマが無い時期には、日々目に留まった事象の写真を並べている。
この日々、目の前に現れる被写体として野鳥がありその数も多い。以前は鳥を見ても野鳥とひとくくりにしていた。しかし、野鳥に興味を持つようになってからは、良く目につく野鳥なら名前がすぐ口に出る。見かけない野鳥であれば図鑑やネットで調べてみるようになってきている。
爪句集シリーズの19集として「爪句@札幌の野鳥」(2012年10月)を上梓している。それから4年ほど経ち、ブログの野鳥の記事が溜まってきて、それらの記事を編集して野鳥の爪句集をさらに1冊加えておきたくなった。そして本爪句集が日の目を見るに至った。
以前の野鳥の爪句集では、野鳥の種類ごとに写真と記事を集めて編集した。これに対して、本爪句集は「日替わり」と銘打って、撮影した野鳥を、1年を通して日を追って並べている。従って、記事の分類は野鳥ごとではなく、月ごとになっている。ただ、月は同じでも年が違うものも日にちを追って並べている。同じ日の写真であれば年の古い順に並べている。野鳥に出遭い写真に撮れる機会は季節によって異なるので、月毎の写真の枚数は一定ではない。
前掲の19集は書名に「札幌の」が冠されていて、札幌市内で撮った野鳥の写真を集めている。本32集は札幌の野鳥を中心にしているけれど、旅先で撮った野鳥の写真も加えている。これには海外で撮った野鳥の写真もある。
野鳥の種類でいうと50種類近くの野鳥が写真に収まっている。野鳥を求めて遠出するといった事はほとんどなく、自宅の庭先とか散歩道で出遭った野鳥が主なものである。大都会札幌なのに、自分が住むところでこんなに多くの野鳥の写真が撮れるのは、札幌が自然に囲まれた大都会である事の証左である。本爪句集を編集していて強く感じた事である。
野鳥は主に300ミリの望遠レンズで撮っている。本格的に野鳥を撮っている人が持つ、大砲のような望遠レンズに比べると性能は落ち、手軽でも遠くに見える野鳥を撮るのには機能不足である。三脚は使わず手持ちカメラの撮影で、野鳥を撮る目も腕も自慢するには遠いと自覚している。著者より、高性能の機材と優れた腕で撮影された野鳥の写真を見るにつけ、そのうちその域に達した写真を撮ってみようと思っていながら、未だ実現していない。
爪句集の目的とするところは、写真の他に爪句と説明文の表現を融合させ、作品に仕上げる事にある。ただ、野鳥の場合、シャッターチャンスが生かせて写真撮影が上手く行くと、目的は大方片付いた気持ちになり、爪句を推敲するのには余り時間をかけていない。従って、写真撮影時の状況説明のような爪句と説明文が並ぶ事になる。本爪句集は句集よりは写真集にウエイトが置かれたものになっている、といってもよいだろう。
野鳥撮影には望遠レンズが不可欠な事は前述した通りである。望遠レンズ使用による撮影と対極的な撮影法として、魚眼レンズを用いて、視界全体を記録する方法がある。野鳥にフォーカスを合わせるといった操作は一切排除した写真法なので、ただカメラのシャッターを押すだけである。このようにして撮影した写真をつなぎ合わせて全球パノラマ写真を合成する。
近年の著者のブログ記事には、これら全球パノラマ写真を多く掲載しており、最近出版した爪句集にはいずれも全球パノラマ写真を採録している。しかし、野鳥の場合望遠レンズを使って撮影しており、魚眼レンズを使用した全球パノラマ写真は、野鳥を被写体に選んだ本爪句集には採用されていない。
本爪句集原稿を提出後、ドローンを飛ばして撮影した三角山山頂上空からの写真に、偶然にカラスが写っていた。野鳥を地上からのカメラで追いかけていたけれど、野鳥も写真内に入れ、野鳥の目となって上空から下界を撮る写真法もあるのかと、新しい写真の世界を垣間見た気がした。ここにそのような写真と爪句の1例を載せておく。これはブログとして公開しているもので、その記事も本爪句集巻頭の覚え書きに引用しておく。
鳥の目で 見える下界の 記録なり
- by 秘境探検隊長
- at 04:43
comments
昨年にF氏が富山大でのFIT奨励賞を受賞した発表でも、野鳥対策がありました。覚えているでしょうか?
ということは、子育ての時期に巣のそばをドローンをで飛行して、パノラマ空撮したら多くの威嚇中の野鳥が撮影できるのではないでしょうか^ ^
まさか、あのブレードが大音響を出し、さらに当たると大怪我するようなドローンを本気で攻撃する無謀な野鳥もいないかと^_−☆
今度、野鳥の巣が多そうな場所で実験して見ましょう(^_^)
野鳥の巣や渡り鳥の飛来地近くでドローンを飛行させるのは、野鳥が巣を放棄したり飛来ルートを変更するかも知れず、多分規制の対象に入っているのかも知れません。野鳥を対象にした飛行禁止区域の話は余り聞きませんが(ドローン検定試験にも出てきませんが)、生態系保全とドローンによる観察はこれから議論が行われてくる課題だろう、と予測しています。