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2006年12月11日

小樽市公会堂と能楽堂

 小樽の都心部に近いところの緑地として小樽公園があり、この公園に隣接して市民会館や総合体育館がある。体育館の隣に小樽公会堂があって、小樽市民には良く知られた建物であろう。この建物は小樽市の歴史的建造物に指定されている。

 しかし、観光都市小樽を訪れる観光客がここまで足を伸ばして、集会場になっているこの建物内を見て行くことはないだろうから、小樽市民でないと、あるいは小樽市民にとっても、秘境感のある場所である。

 この建物は一九一一年に、当時の皇太子が小樽に泊まるのに合わせて建てられたものである。総坪数二百六十七坪の建物は、当時の小樽の豪商藤山要吉が個人の財力を注ぎ込んで完成させている。武家屋敷を模した玄関部分は、当時は豪華な建築物で人目を惹いたであろう様子を今に伝えている。この場所には一九六〇年に移築されていて、地階部分は移築の際に付け足されている。

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 建物内部は公会堂の名前の通り一般市民に開放されて集会場として利用されている。訪れた時は土曜日の午前中であったけれど、館内のどの集会場も利用されてはいなかった。どのくらいの利用状況なのかは一度の訪問では推測がつかない。館内は自由に見て回れるので、玄関を入ってから階段を下りて、地階部分にも行ってみる。

 この地階部分は能楽堂とつながっている。この能楽堂は一九二六年(大正十五年)小樽の実業家が自邸の庭に建築したもので、旧岡崎家能舞台のただし書きのあるものである。冬季であるため、能楽堂内部に入って見ることができない。夏のある期間には能の実演を見ることができるらしいけれど、能舞台はどのような配置となり、観客はどこに座を取ることになのだろうか。一度実演を観てみたいと思うのだが、その機会を捕まえることができるかどうか。

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 能楽堂に面した部屋には能装束、能に使われる扇や刀類、謡や音曲に関する書籍類が展示されている。能の公演時の写真なども掲示されている。しかし、日本伝統文化なのに、能を鑑賞する機会はほとんど無く、この芸能の世界は著者にとっては秘境そのものである。

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