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2007年04月08日

ホクレンパールライス工場

 石狩湾新港の付近は大規模工場が建ち始めている。そのような工場の一つとしてホクレンの精米を出荷する工場がある。この工場には、精米・加工と袋づめを行う最新のシステムを見学するコースが設けられていて、事前に申し込むと見せてもらえる。

 場所が石狩市新港西2丁目で、この工場の周りは空き地も広がり、冬の終わりにくると、いや多分夏でも殺風景なところである。こんな場所の工場内で、最新の技術を利用して、ロボットが動きながら製品を作っている空間があるのは秘境的である。

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 週末に見学を申し込んだのは著者と運転手の二名であったにもかかわらず、工場では案内嬢が丁寧に対応してくれる。100名は入れるだろう大きな講堂で工場案内のビデオを見せてもらった後、二階から始まる展示室を説明を受けながら見て歩く。見学者の興味を惹くように質問がところどころに書いてあって、例えば玄米1表(60Kg)を収穫する田圃の広さの設問がある。正解は、玄関ホールのタイルを色違いで表示して、二階からその広さを確かめられるように工夫されている。

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 「ごはんミュージアム」と銘打った展示場には、お米に関する色々なテーマのパネルや展示物があり、お米に関する知識を仕入れることができる。米と祭りのテーマのパネルで、青森のねぶた祭りは、農作業の忙しい夏に襲ってくる眠気を追い払う行事から始まり、「ねむり流し」から「ねぶた」に変わったらしい、と言った雑学が増える。

 精米の過程で異物を除く必要があり、ガラスの破片などは光の透過率の差を利用して行うけれど、これを米一粒、一粒を対象にして行うらしい。単純な原理であっても、膨大な量の米を高速に流しながらの実用技術はたいしたものである。

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 精米した米の袋つめと運搬工程ではロボットが活躍していた。ロボットの動きは二階から窓越しに見下ろすことができる。これだけ自動化が進むと、精米を自前で行っている零細農家はコストの上では太刀打ちできないのではなかろうか、と思えてくる。零細な米作り農家がこの巨大な米の加工と流通システムに対抗するためには、生産者から消費者に直売する方法で、おいしい米を供給する信頼関係を培って勝負するのが残された戦略かなとも思ってみる。

 見学を終えて帰る時、この工場で作っていて売り上げが伸びている無洗米300グラムの入った袋を二つお土産にもらった。予期していなかったことなので、たまたま持っていた「札幌秘境100選」を案内嬢に進呈してきたけれど、この工場が石狩秘境のテーマで取材されているのだとは、案内嬢はよもや思いも及ばなかっただろう。

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