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2007年06月15日

石狩浜のハマナスとカモメ

 石狩市の花はハマナスで市の鳥はかもめと定められている。小樽市はツツジとアオバトである。石狩川の河口近くには砂浜が広がり、砂丘を形成し、ここではハマナスを始め多くの海浜植物を、冬場を除けば1年を通して鑑賞することができる。

 石狩川が石狩湾に流入する辺りでは、カモメの群れも見ることができる。市の花と鳥がセットになって観察出来る点で、石狩浜の砂丘は石狩市の景観や環境が象徴的に現われている場所である。特に群生している多種の浜辺の花を目にすれば、野の花の愛好家なら秘境的場所と感じるのではなかろうか。

 イソスミレは春石狩の浜で最初に見ることができる花である。日本海側でこの浜がその北限となっている。6月の初旬にハマナスの開花を予想して石狩の浜を訪れた時には、イソスミレの花は少ししか残ってはいなかった。

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 ハマナスは5月の下旬から9月頃まで見ることができる。花が終われば赤い実をつける。この実が梨に似ているとのことで「ハマナシ(浜梨)」がなまってハマナスの和名になった。ハマナスの咲く浜では、長い期間ハマナスの花を見ることができるので、長持ちする花かと思っていたら、一夜花とか呼ばれていて、咲いた翌日にはもう花の盛りを過ぎて、散ってゆく花なのだそうである。長く花が咲いているように見えるのは、次々と花が咲いてゆくためである。バラの原種の一つであり、交配して改良を加えたバラの新種がハマナスから作られている。

 ハマエンドウは石狩の浜を代表する海浜の花で、青紫の花が群れて咲く。エンドウの名前があるとおりマメ科の花でエンドウマメに似た実をつける。6月に入ればエゾスカシユリの花も見ることができる。このユリの名前は花弁の間に隙間があることから来ていると聞いた。

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 エゾスカシユリの自生地にはススキが入り込んで来ている。ススキは繁殖力の強い植物で、放置していると砂丘がススキで覆われてくるので、ボランティアの人達が砂丘の花の自生地からススキを取り除く作業をするそうである。

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 石狩川の河口は流れの方向に年々移動していて、河口近くに設置した石狩浜の灯台は河口からかなり離れた砂丘に取り残された格好になっている。石狩川の河口の砂浜にはカモメが集まっている。カモメは気性の激しそうな鳥である。しかし、羽の一部を除けば白色がこの鳥を優しげに見せている。この点カラスは全身が黒で可愛気が無く、身近な鳥ではあるけれどカモメと比べると色で損をしている。

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