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2007年06月26日

濃昼山道

 平成の大合併で厚田村、浜益村と一緒になった石狩市は日本海に沿った長い市になっている。合併前の二つの村、厚田と浜益の間は日本海に山塊が迫って陸路の難所であった。今でこそ国道231号線が整備されているけれど、かつては幕府が命じて開削させた濃昼山道で両村が結ばれていた時代があった。

 この濃昼(ごきびる)山道は新しい道の開通で忘れ去られていたのが、近年保存の活動の成果でルートが復活していると耳に挟んでいた。では、その山道の入り口ぐらいに立ってみようかとインターネットで得た情報を頼りに国道231号線沿いを探してみるのだが、見つからない。都市の秘境のテーマとかけ離れてもいるので、放っておいたのだが気になる。そこで石狩市役所に出向いて聞いてみると、なんと濃昼山道の立派なパンフレットが用意されている。このパンフレットの案内図であれば入り口に達することができるだろうと再度出向いてみる。

 まず滝の沢トンネルの手前の滝の沢側の入口を目指す。案内図にはトンネルの入り口近くにパーキング場があることになっているのだが、パーキングの標識もパーキング場もない。安瀬(やそすけ)橋の近くの国道脇に、がけ崩れ防止のコンクリート壁の始まりあたりにかろうじて空き地がある。半信半疑でここに車を止めて山側に登る道がないかと探してみると、濃昼山道入り口の小さな標識が現れた。これでは初めての訪問者が見つけられないのも無理はない。

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 最初からこの山道を走破する気は持ち合わせていないので、この入口から少しばかり道に分け入って探検を終了させるつもりである。山道はかろうじて道があるといった感じで、木の間から安瀬の海が目に入る。道の雑草は保存会の手で刈り取られた形跡があるけれど、獣道の雰囲気もある。ここは予定通り早々に切り上げて、もう一方の山道入口に国道を車で向かう。

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 国道の滝の沢、太島内、赤岩の三つのトンネルを抜けて、濃昼の村落の入口のところで停車する。ここの濃昼側の山道入口はバス停の横にあるのだが、これまた小さな案内で見落としそうになる。話しはそれるが、このバス停の時刻表には夏の間の一日二回の発着時刻が記されていて、実際の利用状況がどんなものであるのか興味をそそられた。

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 濃昼側入口には保存会の標柱も立っている。入口から沢道になっていて、確かに道がついている。歩いて行くとどこまでも道の先があって、山の中に吸い込まれるような感じもして深入りは避けようと、たいして歩きもしないで引き返した。軟弱な山歩きである。それにしても、市役所に置かれてあったあの立派なパンフレットと、現地のこの状況の落差は大きかった。

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