2007年12月22日

石狩川とチョウザメ

 かつて石狩川では川の主としてあがめられたチョウザメが捕れた。江戸時代には刀の鞘などに珍重され、石狩川産のチョウザメは幕府への献上品にもなっている。それが現在は石狩川では絶滅してしまって、1969年に石狩川で捕獲されたチョウザメの剥製が石狩市の市指定文化財になっている。ただし、北海道の沿岸部でチョウザメが時折捕獲されている。

 チョウザメの写真と剥製は石狩市の「いしかり砂丘の資料館」で見ることができる。見た目には鮫にも似てなくもないけれど、鱗が特徴的で、鮫の呼び名がつけられていても鮫の仲間ではない。写真と展示されている剥製でみると鮫ほどではないにしても、かなり大型の魚である。

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 チョウザメを人工孵化して、将来石狩川にチョウザメを蘇らせようという研究が江別市にあるほくでん総合研究所で行われていたことがある。同研究所で行われていたチョウザメの研究レポートに目を通すと、チョウザメは飼育環境下では自然産卵はしないそうである。そこで同研究所ではホルモン注射により産卵を促し、北海道で初めて人工孵化に成功し、1万匹の仔魚を得ている。孵化した仔魚を育て、生存率の調査も行われた。

 このチョウザメの人工孵化の研究は北電の電力事業とは直接関係はないけれど、地域産業活性化の目的に沿って行われた。しかし、研究は人工孵化の段階で終わってしまい、石狩川に人工孵化の仔魚の放流には結びつかなかった。最初に譲り受けた親のチョウザメが外国産であるため、外来種を国内の自然環境に放流するのが出来なかったせいかも知れない。

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 研究は実用化には到らず終結、現在同研究所にはかつてのチョウザメ飼育の水槽が残っている。飼育されていたチョウザメの方は、共同研究を行っていた北大水産科学研究院の方に引き取られて、現在でも七飯にある同研究院の養魚場で飼育されている。同研究院の知り合いの先生に頼んで、このチョウザメを研究のため取り出しているところの写真を送ってもらったものがある。生きたままチョウザメを取り扱うのが大変そうなのが画像から伝わってくる。

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 石狩川ではもう目にすることがなくなったチョウザメを、せめて水槽の中で泳ぐ姿だけでもそのうちどこかで撮影しようと思っている。