Search


Archives

2008年06月23日

風の門と縄文土器野焼き

 セラミックアートセンターは江別陶芸の里の中核施設であり、洒落たレンガの外観の建物である。庭には原田ミドー作の「風の門」があると観光案内のパンフレットに出ていたので雪の季節に出かけてみる。

 建物の裏庭にはこのモニュメントがあるのを遠くから確認できた。しかし、傍に近づいて見るにも道が無い。雪に埋まりながらモニュメントまで辿りつく準備もしていないので、雪の解けた季節にでも再訪ということで、雪の中のモニュメントがたたずんでいる雪原を写真に収めただけで帰ることになった。

%E9%A2%A8%E3%81%AE%E9%96%80%E5%86%ACA.jpg

 夏至の翌日の日曜日に、気が向いて懸案の「風の門」の写真を撮りに行く。今回はこのモニュメントの近くで土器の野焼きをやっていた。これは思いがけないイベントに出くわしたものである。早速風の門から野焼きの様子を写真に収める。「風の門」とは風のみが通る門の意味らしく、風の向こうに野焼きの煙がたなびいているのが見える。

%E9%87%8E%E7%84%BC%E3%81%8D%E9%A2%A8%E6%99%AFA.jpg

%E9%A2%A8%E3%81%AE%E9%96%80%E3%81%A8%E9%87%8E%E7%84%BC%E3%81%8DA.jpg

 形になった土器はすぐには本焼きには入らず、周りをレンガで囲った窯もどき(という表現が適切かどうか分からないけれど)の傍で火にあぶる。いわゆる素焼きに近い工程にあたる。ただ、大きな作品は失敗しないように電気窯であらかじめ素焼きにしているとのことである。薪火である程度温度を加えた後に、窯もどきに入れて本焼きに移る。

 この方式だと目の前で土器が焼きあがっていくのが確かめられて面白そうである。しかし、一日仕事のようなので、本焼きに入る前の様子を写真に撮って、関係者から話を聞いただけで、完成した土器を目にしてはいない。来月行われる江別やきもの市で完成品をみることが出来るとのことである。


%E9%87%8E%E7%84%BC%E3%81%8D%E7%B4%A0%E7%84%BC%E3%81%8DA.jpg

 この野焼きのイベントは毎年は春と秋に行われるのが、夏の今時分に行われているのは、7月上旬に予定されているサミットの会場のホテルに野焼きの土器を飾るためだそうである。この土器に、冷気保存してある桜を咲かせたもの活けて、夏に日本の春を演出する予定と聞いた。外国の首脳が、もしこの演出を見ればどんなコメントを口にするだろうか。サミット会場に飾られた縄文式土器は都市秘境の土器にふさわしい。

comments

comment form
comment form