Search


Archives

2008年12月20日

人はお金を使うことが好きなのかもしれない

 12月16日に『江別・北広島秘境100選』の出版記念会を行った。主催者の立場では(著者が主催者になるというのも変で、出版社か他の誰かが記念会を開いてくれるのが普通なのだろうけれど、田舎<出版に関しては札幌は田舎です>ではその役回りを探すのが難しいので、いきおい著者自らが出版記念会を企画することになる)人が集まらないことが心配で、eシルクロード大学(eSRU)の忘年会も兼ねるということで、eSRUの講師の方々や学生諸氏にも声を掛けた。

 40名ほど集まってもらって、これは有難いことであった。百年に一度の金融危機から不況に入りつつある経済状況で、師走の忙しい時に時間を割いて、共著者のお一人の北洋銀行頭取の横内龍三氏にも出席してもらって、ご挨拶いただいた。横内氏には秘境シリーズの1巻目から今回の3巻目まで共著者に加わってもらっている。

 出版の本代を含めて4千円の会費で、高くはないと思っていても、参加にはお金のかかることである。出版記念会であるから、本を出した側には意味のある会でも、その他の参加者には何か目に見えた益(飲食はできるとしても)がある訳でもない。それでもお金を払って多くの人が来てくれる(これが世の中の義理という典型かもしれないけれど)。出版記念会ではスピーチを聞かねばならなかったので、写真を撮る余裕もなかったので、当方の写真が出ている遠方から参加された方のブログに投げておきたいのだが、踏みとどまっている。

%E5%87%BA%E7%89%88%E8%A8%98%E5%BF%B5%E4%BC%9A%E3%83%BC%E6%A8%AA%E5%86%85%E9%A0%AD%E5%8F%96A.jpg

 さて、話は出版記念会から二日後の、お金のかからない勉強会に話題を移す。こちらも当方が主催者で、毎回学生の集まりが気になる。この回は、私設北海道開拓使の会理事長石黒直文氏が講師で、銀行時代の経験も交えて、なかなか為になる、かつ迫力のある講義をされた。講義内容のさわりはeシルクロード大学のブログに載せてある。無料であるにもかかわらず、この勉強会の出席者はわずかの4名である(15名ほどの登録者が居る)。
 
eSRU%EF%BC%99%E8%AC%9B%E7%9B%AE%E3%83%BC%E7%9F%B3%E9%BB%92%E6%B0%8FA.jpg

 そこでこの自分で企画した二つの会を比較して考えるのである。お金がかかって、出席したから勉強になる訳でもない会に人が集まり、お金がかからなくても、為になる講演には人が集まらないのは、ひょっとして、お金を使うということを自分は間違って理解していたためではないか。人は、出来れば、お金のかかることは避けたいと思って行動していると理解していたことが間違いで、無料で何かを行うのは、お金を使う楽しみをお金を出す人から奪っているのかも知れない。無料にすれば人が集まると考えていたのが、人の心理状態を誤って捕らえていて、むしろ有料にした方が勉強会に聴きにくる人が増えるのかも知れない。と、まあ考えているのです。

comments

comment form
comment form