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2010年11月28日

笑い狛犬の居る茨戸天満宮

 天満宮なので祭神は菅原道真である。北海道開拓期に、同じ郷里の開拓者が入植した地域では、創祀に際して郷里に神社からの分霊を受けたり、郷里の祖先を祭神にしたりする例が一般的である。これに対して、郷里の違う開拓者の入植地での創祀の場合、異なる祭神がかち合うので、妥協策として学問の神様の道真公を祭神に選ぶ場合がある。茨戸天満宮はその典型例のようである。
 境内は境界がはっきりしない広場で、鳥居、燈籠、狛犬で境内の体裁を整えている。特に見応えのあるものが置かれているのでもなく、ありふれた境内である。しかし、狛犬の方はユニークな貌つきである。阿形の狛犬は大きな口を開け、つぶれたような鼻が貌の中央に収まっていて、まるで笑っているかのようである。
 吽形も心持含み笑いをしているようである。後で丸い瞳を描き入れたようで、この目の玉が、吽形の狛犬の雰囲気を大きく変えてしまっている。前髪、あごひげ、たてがみを円や円弧で表現していて、お洒落な感じもする。献台に狛犬寄贈年が彫りこまれていて、1931(昭和6)年と読み取れる。

大口で 笑い貌(かお)なり 阿形犬

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愛嬌は 描き添え片目 吽形犬

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