2007年03月25日
北のウォール街資料館
道路地図にこの資料館が記されている。インターネットで検索すると、会社の一部が資料館になっているようで、会社の営業日でなければ見ることができない。そこで週日に入船三丁目にある「玉柳」の会社を目指して行ってみる。ここで北のウォール街とはかって金融業で繁栄していた小樽の別称でもある。
会社の正面には「タマヤナギ」の看板が大きくでている。この会社のHPには「歴史と伝統に培われた事務機器事務用品、学校教育資材の総合販売会社です。」と書かれているので、そのような仕事をしている会社なのだろう。玄関を入ると社員と思しき人がこちらの素性も聞かないで社屋の二階の一室にある資料館に案内してくれる。「北のウォール街資料館」の看板が目に入る。説明員はいないので、自由に見学してというので、かなり雑然とした室内にある雑多な資料の写真を撮る。
会社の取り扱っているのが事務機器であるので、時代物の事務機器が並べてあった。写真の手回し計算器には「タイガー計算器」の文字が見える。この製造元は「虎印計算機」で後に「タイガー計算機」となったそうである。手回し式の計算器は大学院生のときに触った記憶があるけれど、電卓にとって代わられ、研究者ならマイコン、パソコンを利用して手回し式計算器の時代は短かったはずである。
タイプライターや手動のワープロなども並んでいる。手動のワープロは並んだ活字を拾いながら紙に印字していくもので、パソコンワープロが標準的になった今では見ることもなくなったが、著者も一時期「μコンピュータの研究」というマイコンの会誌を発行していた時に使用していたことがあって、機種は違っても懐かしいものであった。
商店や商品の宣伝につかった浮世絵風のチラシも展示されている。目についたのは二宮金次郎の絵柄のもので、小樽の金次郎の銅像も秘境のテーマで追い求めているので、惹かれるものがあった。これらの宣伝ビラは「引き札」と呼ばれていた。文面に「萬履物流行新型」とあるので、履物にも流行があって客は敏感だったのが推測される。ただ、履物といっても「雪駄」の文字が見え、雪駄とはどんな履物か思い浮かべることさえ出来ない人が大多数ではなかろうか。
- by 秘境探検隊長
- at 05:01
comments
手回しなんて郷愁を感じますねぇ・・