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2007年03月27日

張碓海岸船揚場

 地図で張碓海岸を見ると、恵比寿島が海岸に接してぽつりと描かれていて、この海岸のランドマークのようになっている。しかし、このあたりの張碓海岸に行き着く道は、地図上では一本しか見つけることができない。その道を終点まで車で行ってみることにする。

 国道5号線から分かれて張碓の町に入る。小さな町で、町の外れの高速道路を通す張碓大橋が町の天空にかかって見える。途中で道が途切れて雪の中に句碑が立っている。句碑には「青鳩や 礁(いくり)つづきに 小樽港 木風雨」と彫られている。作者の木風雨とは勝又木風雨である。青鳩は小樽の市鳥に選定されていて、夏このあたりにやって来る渡り鳥である。

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 さらに海岸へと下る道を見つけてJR線の線路脇まで行ったところで道は無くなる。線路の向こう側にはすぐ張碓の海で、地図にあった恵比須島とわずかな防波堤で船揚場が造られている。岸には船と漁師のための小屋が並んでいる。冬場で船は陸に揚げられていて、漁は行われていないのだろう。

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 曇り空で日の光も弱く、恵比須島の写真を撮ると黒い塊に写る。島の上空を海鳥が飛び回っているけれど、これはかもめだろう。小樽方向をみると、先の句にも詠われているように、小樽港とおぼしき風景を遠くに眺めることができる。

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 目を転じて札幌方向をみると、海岸線を縁取るように走る線路と、沖に向けて出て行く小舟が目に入る。冬景色の海岸は曇天も手伝って荒涼感が漂う。急に警報機がけたたましく鳴る。ここを通過する列車が近づいていることを知らせる警報である。列車は警笛を鳴らしながら著者が立っているすぐ傍を勢い良く走り抜け、遠ざかっていった。

  船揚場 警笛飛ばす 冬かもめ

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追記:この原稿はソウル市のホテルから電話回線で投稿してみたものです。

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